昨日のNY株式市場は続伸しての引けとなりました。ダウが700ドル超の上昇となるなど上値を拡大しての引けとなっています。米国の小売売上高が市場予想を上回ったことで足元の米経済の堅調が示され、さらにインフレに対する警戒感が後退する中で早期利下げ観測が強まったことでリスク志向の動きが強まる展開となりました。ダウは史上最高値を更新し、742ドル高の40954ドルでの引けとなりました。
米国債市場は利回りが低下しての引けとなりました。米小売売上高の堅調を受けて持ち直す場面もありましたが、米国の早期利下げ観測が高まっており、債券に対する買いの流れが継続する展開となりました。長期債利回りを中心に下げ幅を拡大する展開となり、30年債利回りが2年債利回りを下回る水準での引けとなっています。米10年債利回りは4.15%台半ばから後半、30年債利回りは4.37%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは小幅上昇
為替相場はドルインデックスが小幅に上昇しての推移となっています。米国債利回りは長期債利回りを中心に大きく低下したものの、欧州債利回りの低下やポジション調整の動きなどにより、ドルの下値が支えられる展開となっています。ダウの大幅上昇もドルに対する買い意欲を強めました。現状ユーロ/ドルは1.09ドル台前半、ポンド/ドルは1.29ドル台半ばから後半でそれぞれ推移しています。
円は全体的には売られやすい地合いとなっています。オセアニア通貨が軟調地合いとなっていますが、ドルインデックスの上昇を受けてドル/円がプラス圏での推移となる中、クロス円も全体的には堅調地合いとなって推移しています。米株の大幅上昇などを眺めて円売り圧力が強まる流れとなっています。ここまでの円に対する買い戻しに反転の動きはあるものの、大きな動きにはなっていません。現状ドル/円は158円台前半から半ば、ユーロ/円は172円台半ば、ポンド/円は205円台半ば、豪ドル/円は106円台半ばでそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - レンジ圏での動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と下限で挟まれたレンジを動いています。目先はバンドの上限で抑えられて下落しており、バンドの中心線を抜けて下限を目指す形となっています。ただ、下落の勢いは弱く、目先は-1σを意識しての横ばいとなっています。方向感の見えにくい展開であり、しばらくは様子見ムードが継続しそうです。
現状バンドの上下限中心線が横ばいでの推移となっています。レンジ圏での動きが意識されやすい形ではありますが、バンド幅が狭く、市場にはエネルギーが蓄積されている状況です。動き出したら大きくなる可能性は十分にあるため、バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要でしょう。ただ、目先は方向感の見えにくい局面であり、まずは方向感を見極めてからの対応となりそうです。