昨日のNY株式市場は続伸しての引けとなりました。米国のインフレに対する警戒感が後退する中で早期利下げ観測が高まっており、リスク志向の動きが強まりました。パウエルFRB議長が『過去3回のインフレ指標はかなり良いペース』などと発言したことも好感される展開となりました。ダウは史上最高値を更新し、210ドル高の40211ドルで引けました。
米国債市場は利回りが上昇しての引けとなりました。米国の早期利下げ観測が高まる一方で、調整の動きが展開され、債券に対する売りの流れが強まりました。トランプ前大統領が優勢との見方を背景に財政拡大に対する警戒感も債券売りの流れを強めました。米10年債利回りは4.22%台後半、30年債利回りは4.45%台半ばから後半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは上昇
為替相場はドルインデックスが上昇しての推移となっています。米国債利回りが上昇する中でドルに対する買い戻しの動きが強まりました。ただ、米国の早期利下げ観測が高まる中でドルの先安観も根強く、積極的にドルを買い進む展開にはなっていません。現状ユーロ/ドルは1.08ドル台後半、ポンド/ドルは1.29ドル台半ばから後半でそれぞれ推移しています。
円は買われやすい地合いが継続しました。大きな動きにはなっていないものの、円に対する買い戻しの動きが継続しています。ドルインデックスの上昇を受けてドル/円がプラス圏での推移となる場面もありましたが、ドルの先安観から上値は重く、小幅に下落する展開となっています。また、クロス円も大きな動きにはなっていないものの、円買いの流れが維持されています。現状ドル/円は158円台前半、ユーロ/円は172円台前半、ポンド/円は204円台後半、豪ドル/円は96円台前半でそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - レンジ圏での動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と下限で挟まれたレンジを動いています。目先は上昇基調でバンドの上限まで上昇しましたが、そこで抑えられる形となっています。狭いレンジでの動きであり、方向感の見えにくい流れが継続しています。しばらくは様子見ムードが継続するのではないかとみています。
現状バンドの上下限中心線が横ばいでの推移となっています。レンジ圏での動きが意識されやすい形ではありますが、バンド幅がかなり狭く、市場にはエネルギーが蓄積されている状況です。動き出したら大きくなる可能性は十分にあるため、バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要でしょう。ただ、目先は上限で抑えられて下落し、中心線を目指す格好となっていることから、レンジ圏での動きが意識されやすい形と言えそうです。