昨日のNY株式市場は大幅上昇となって引けました。朝方は欧州株の上昇などを眺めてしっかりとした動きとなり、パウエルFRB議長の議会証言はややハト派と受け止められた上に議会証言を通過したことによる買い安心感が強まったことで上値が拡大しました。パウエルFRB議長は利下げの時期を明言しなかったものの、インフレが低下に向かう確信がある程度あると発言しており、利下げに対する期待感が広がる流れとなりました。ダウは引けにかけて上値を拡大し、429ドル高の39721ドルでの引けとなりました。また、NASDAQも上昇して史上最高値を更新しました。
米国債市場は利回りが低下しての引けとなりました。米10年債入札の好調が意識される中で債券に対する買い意欲が強まる展開となりました。パウエルFRB議長の議会証言も債券に対する買い意欲を強める結果となっています。ただ、米消費者物価指数の発表を控えてポジション調整の動きも見られており、債券利回りは下げ渋りました。結局米10年債利回りは4.27%台半ば、30年債利回りは4.47%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは下落
為替相場はドルインデックスが下落しての推移となっています。米国債利回りの低下などを背景に、ドルの上値が抑えられる展開となっています。米国の利下げに対する期待感が高まる中でドル売りの流れが強まっています。ただ、米国債利回りの下げ渋りなどを受けて積極的にドルを売る動きにはなっていません。現状ユーロ/ドルは1.08ドル台前半、ポンド/ドルは1.28ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円は売られやすい地合いが継続しています。ドルインデックスは下落したものの、株高を背景にした円売り圧力が強まっており、ドル/円は上昇しての推移となっています。また、クロス円も全体的に買い優勢の流れとなっており、ポンド/円は1円超の上昇となって推移しています。介入に対する警戒感が後退する中で円の安値を試す展開となっています。現状ドル/円は161円台半ば、ユーロ/円は175円台前半、ポンド/円は207円台半ば、豪ドル/円は109円台前半でそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 調整売り優勢
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から調整の動きが意識されており、バンドの中心線を目指しての下落となっています。このまま中心線まで下落する可能性は十分にありそうです。問題としてはバンドの中心線で支えられて持ち直すのか、中心線をブレイクして下値を拡大するのか、といった所になりそうです。ここまでの動きではバンドの中心線で支えられる流れが継続しており、この流れが維持されやすいのではないかとみています。
現状バンドの上下限中心線が上昇する展開となっています。トレンドそのものが上向きとなっており、押し目買い優勢の流れと言えそうです。ただ、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところであり、調整の動きを入れながら上値を拡大するといった動きになりやすいところです。ここからバンドの中心線で支えられた場合は再度バンドの上限を目指しての動きとなりそうです。