昨日のNY株式市場はまちまちでの引けとなりました。米CPIが市場予想を下回ったことを背景に、リスク志向の動きが強まり、ダウは一時372ドル高となりました。しかし、その後に発表されたFOMCやパウエルFRB議長の発言などを受けてダウは急速に上げ幅を縮小し、マイナス圏に転じました。今年の年1回の利下げ予想に対する失望売りが売り圧力を強める結果となっています。結局ダウは35ドル安の38712ドルで引けました。ただ、米国債利回りの低下などを背景にNASDAQはプラス圏を維持しました。
米国債市場は利回りが低下しての引けとなりました。米CPI発表を受けて米国の早期利下げ観測の後退などが意識され、一時米国債利回りは軒並み10bp超の下落となりました。しかし、FOMCやパウエルFRB議長の発言などを受けて利回り低下に対する修正の動きが強まりました。とはいえ、債券に対する買い戻しの意欲も根強く、利回りは大きく下落しての引けとなりました。米10年債利回りは4.31%台半ば、30年債利回りは4.47%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは下落
為替相場はドルインデックスが下落しての推移となっています。米CPIを受けて米国債利回りが大きく低下しており、ドルに対する売り圧力を強める展開となっています。その後のFOMCやパウエルFRB議長の発言などを受けて持ち直す動きを見せていますが、上値は重く抑えられています。現状ユーロ/ドルは1.08ドル台前半、ポンド/ドルは1.27ドル台後半でそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移となっています。ドルインデックスの下落を受けてドル/円が軟調地合いとなっており、157円を大きく割り込む動きとなっています。ここまでの上昇に対する調整の動きも意識される流れとなっています。一方、クロス円は全体的に底堅い動きとなっています。米株の上昇などを受けて円売りの流れが強まっています。現状ドル/円は156円台半ば、ユーロ/円は169円台前半から半ば、ポンド/円は200円台半ば、豪ドル/円は104円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - じり安
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクして下値を拡大する動きとなっていましたが、目先は売り一巡から持ち直し、バンドの中心線をブレイクして上昇する流れとなっています。ただ、バンドの上限には届かずに再度下落しており、上値の重さが意識されています。このままバンドの中心線まで下落するのかどうかに注目ですが、流れとしては中心線を意識しての動きとなるのではないでしょうか。
現状バンドの上限が下落、下限が上昇といった動きとなっています。バンド幅は縮小傾向で、市場には徐々にエネルギーが蓄積される流れとなっています。ただ、バンド幅の縮小の余地が大きく、まだ大きな動きにはなりにくいところです。バンドの中心線を挟んでの動きが展開されるのではないかと見られて、まずは方向感を見極めてからの対応となりそうです。