先週末のNY株式市場は下落しての引けとなりました。米雇用統計において、失業率は市場予想より悪化したものの、非農業部門雇用者数や平均時給が市場予想を上回っており、米国の早期利下げ観測が後退し、リスク回避的な動きが強まる展開となりました。ただ、ここまでの買いの流れが継続しており、ダウはプラス圏に浮上する場面もありました。結局ダウは87ドル高の38798ドルで引けました。
米国債市場は利回りが大きく上昇しての引けとなりました。米雇用統計の結果を受けて早期利下げ観測が後退する流れとなり、債券に対する売りの流れが強まる展開となりました。短期債利回りを中心に上げ幅を拡大しており、長期債利回りも10bpを超える上昇となりました。米10年債利回りは4.43%台前半から半ば、30年債利回りは4.55%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは上昇
為替相場はドルインデックスが上昇しての引けとなりました。米国の早期利下げ観測が後退する中で米国債利回りが大幅上昇となっており、ドルインデックスも上値を拡大する展開となりました。ただ、FOMCを来週に控えていることなどからドル買い一巡後は様子見ムードが強まる展開となり、NY時間帯は積極的に上値を拡大する展開にはなりませんでした。ユーロ/ドルは1.08ドル台前半、ポンド/ドルは1.27ドル台前半でそれぞれ引けました。
円はまちまちでの引けとなりました。ドルインデックスの上昇を背景に、ドル/円が1円超の上昇となる一方、クロス円はまちまちでの引けとなっています。米株の下落などを眺めた円買いの流れが強まりました。ユーロ/ドルの下落を眺めてユーロ/円がマイナス圏での下落となるなど、全体的に円に対する買いが優勢となりました。ただ、ポンド/円などはドル/円の上昇を眺めてプラス圏での引けとなりました。ドル/円は156円台半ばから後半、ユーロ/円は169円台前半から半ば、ポンド/円は199円台前半から半ば、豪ドル/円は103円台前半でそれぞれ引けました。
ボリンジャーバンド - 堅調地合い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をブレイクしてバンドウォークとなっていましたが、そこから調整の動きが意識されて下落する流れとなりました。しかし、バンドの中心線までは下落せずに持ち直す流れとなっています。じり高基調でこのまま上昇基調を維持することが出来るかどうかに注目です。ただ、上昇の勢いは弱く、バンドの中心線を意識した動きとなる可能性も十分にありそうです。
現状バンドの上限が下落、下限が上昇といった動きとなっています。バンド幅は縮小傾向にあり、市場には徐々にエネルギーが蓄積される流れとなっています。ただ、まだ縮小の余地が大きく、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところでしょう。そもそも目先はバンドの中心線を意識しての動きとなる可能性も十分にあるため、しばらくは大きな動きにはなりにくいのではないかとみています。