昨日のNY株式市場は上昇しての引けとなりました。中東の地政学的リスクがやや緩和されたことでリスク志向の動きが強まり、買い優勢の展開となりました。ダウは朝方から堅調地合いとなり、一時調整の動きからマイナス圏に転じる場面もありましたが、売り一巡後は買い意欲に押され、一時460ドル高まで上昇しました。その後は上げ幅を縮小したものの、253ドル高の38239ドルで引けました。また、NASDAQも買い戻しの動きを受けて7日ぶりに反発しました。
米国債市場は利回りがまちまちでの引けとなりました。全体的には短期債利回りを中心に上値の重い展開となりましたが、30年債利回りが小幅に上昇しています。大きな動きにはなっておらず、様子見ムードとなっています。米国の早期利下げ観測が後退する一方で、ここまでの上昇に対する調整の動きも展開されました。米10年債利回りは4.60%台後半、30年債利回りは4.71%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは小幅下落
為替相場はドルインデックスが小幅に下落しての推移となっています。大きな動きにはなっていないものの、米短期債利回りの低下などを背景に、ポジション調整の動きが展開されました。ただ、米国の重要経済指標の発表を控えていることもあり、様子見ムードとなっています。現状ユーロ/ドルは1.06ドル台半ば、ポンド/ドルは1.23ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円は軟調地合いでの推移となっています。ドル/円が約34年ぶりの水準にまで上昇するなど、円売りの流れが継続する展開となっており、クロス円も底堅い動きが展開されています。ただ、オセアニア通貨に対する買い意欲が強まる一方、全体的には大きな動きにはなっておらず、方向感の見えにくい流れとなっています。市場全体が様子見ムードとなる中で小動きとなりました。現状ドル/円は154円台後半、ユーロ/円は164円台後半、ポンド/円は191円台前半、豪ドル/円は99円台後半でそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と中心線で挟まれたレンジでの動きが継続されています。一時的に中心線を割り込む場面もありますが、下値の堅い動きが継続しています。大きな動きにはなっていませんが、じり高基調から上値を拡大する展開であり、さらに上値を拡大するかどうかに注目です。
現状バンドの上下限中心線がじり高となっており、トレンドそのものは上向きです。ただ、現状ではまだ大きな動きにはなりにくいところであり、バンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動きやすい局面です。その一方でバンド幅も比較的狭いことから市場にはエネルギーが蓄積されており、バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要でしょう。基本的には下値の堅さが意識される局面であり、上値を拡大しやすい形と言えそうです。