昨日のNY株式市場は下落しての引けとなりました。朝方は買い戻しの動きが強まり237ドルの上昇となる場面もありましたが、インフレに対する警戒感や中東の地政学的リスクへの懸念が根強く、上値を抑えられました。ただ、積極的に売り込む展開にはなっておらず、大きな動きにはなりませんでした。ダウは45ドル安の37753ドルで引けました。
米国債市場は利回りが下落しての引けとなりました。ここまでの上昇に対する修正の動きが強まり、債券に対する買い意欲が強まる展開となりました。また、米20年債入札が好調となったことで利回りは下げ幅を拡大しました。米10年債利回りは4.58%台半ばから後半、30年債利回りは4.70%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは下落
為替相場はドルインデックスが下落しての推移となっています。米国債利回りが下げ幅を拡大する中で、ドルに対する売り圧力が強まりました。ここまでのドルに対する買いに対する調整の動きを背景に、ドルインデックスは106を割り込んでの動きとなっています。ただ、米国の早期利下げ観測が後退する一方、欧州では利下げ観測が強まっており、積極的にドルを売る動きにはなっていません。現状ユーロ/ドルは1.06ドル台半ば、ポンド/ドルは1.24ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移となっています。ドルインデックスの下落などを背景にドル/円が軟調地合いとなっていますが、クロス円は全般的に上昇する流れとなっています。円に関しては日米韓が初となる財務相会合を開き、最近の急速な円安・ウォン安に懸念を表明したことなどが意識され、円に対する買い戻しの動きが強まりました。ただ、ユーロ/ドルの上昇を受けてユーロ/円がつれ高となっており、円の上値は抑えられました。現状ドル/円は154円台前半から半ば、ユーロ/円は164円台半ば、ポンド/円は192円台前半、豪ドル/円は99円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 持ち直し基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクして下値を拡大したものの、目先は押し戻す動きが継続しています。じり高基調となってバンドの中心線を目指す形となっています。このままバンドの中心線まで上昇する可能性は高まっていますが、中心線をブレイクするかどうかは不透明です。大きな動きにはなっていないので、しばらくは様子見ムードが強まる可能性もありそうです。
現状バンドの上下限中心線が下落しての推移となっています。トレンドそのものが下向きで、上値の重さが意識されやすい状況です。目先は一時的に持ち直していますが、バンドの中心線で抑えられるのではないかとみています。さらには再度バンドの下限まで下落する展開となるのではないでしょうか。