昨日のNY株式市場はまちまちでの引けとなりました。朝方は買い戻しの動きが強まる中でダウが257ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後は中東の地政学的リスクの高まりなどが嫌気されて上値を抑えられました。さらにパウエルFRB議長の発言などを受けて早期利下げ観測の後退が意識され、米国債利回りが上昇し、米株の上値を抑えました。結局ダウは63ドル高の37798ドルでの引けとなりました。一方、NASDAQなどがマイナス圏での引けとなりました。
米国債市場は利回りが上昇しての引けとなりました。パウエルFRB議長の発言などを背景に、早期利下げ観測の後退が意識されて債券に対する売り圧力が強まる流れとなりました。2年債利回りなどは一時5%台まで上昇しており、長期債利回りも上値を拡大しての引けとなっています。米10年債利回りは4.66%台半ばから後半、30年債利回りは4.76%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは上昇
為替相場はドルインデックスが上昇しての推移となっています。米国債利回りが上昇基調を強める中でドルの下値が支えられる展開となっています。ただ、欧州債利回りの上昇などを受けて積極的にドルを買い進む展開にはなっていません。ここまでのドルの上昇に対する調整の動きも意識されており、ドルインデックスは伸びを欠きました。現状ユーロ/ドルは1.06ドル台前半、ポンド/ドルは1.24ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移となっています。ドルインデックスの上昇などを背景にドル/円が堅調地合いとなっていますが、クロス円はオセアニア通貨に対する売りの流れが強まりまちまちとなっています。全体的にはドル/円の上昇につれ高となる展開ですが、日銀の介入に対する警戒感も意識されており、一時下げ幅を拡大する場面もありました。現状ドル/円は154円台半ば、ユーロ/円は164円台前半、ポンド/円は192円台前半、豪ドル/円は98円台後半でそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動いています。狭いレンジでの動きで、方向感の見えにくい流れとなっています。一時的に急落した場面もありましたが、すぐに持ち直しており、目先は日中高値圏での推移となっています。堅調地合いが維持されるのかどうかに注目が集まりそうで、方向感を見極めながらの対応となりそうです。
現状バンドの上限が横ばい、下限がじり高といった動きとなっています。バンド幅がかなり狭い状況となっており、市場にはエネルギーが蓄積されている状況です。動き出したら大きくなる可能性が高まってきているので、バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要でしょう。ただ、目先はバンドの中心線を意識しての動きとなっているだけに、しばらくは様子見ムードが強まる可能性もありそうです。