昨日のNY株式市場は下落しての引けとなりました。朝方は買い戻しの動きや米国がイランへの攻撃に参加しないとの意向を示したことで全面戦争への警戒感が後退し、ダウが400ドル超の上昇となりました。しかし、イスラエルの報復に対する懸念が強まり、売り圧力が強まりました。米国債利回りが大きく上昇したことも嫌気され、ダウは下げ幅を拡大し、248ドル安の37735ドルで引けました。
米国債市場は利回りが大幅上昇となって引けました。米小売売上高が市場予想を上回っており、インフレに対する警戒感が高まる展開となり、長期債利回りを中心に上げ幅を拡大する展開となりました。米10年債利回りなどは一時10bp超の上昇となりましたが、その後米株がマイナス圏に転じて下値を拡大したことなどを眺めて債券に対する売り圧力が和らぎ、利回りも上値を抑えられました。結局米10年債利回りは4.60%台前半、30年債利回りは4.71%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは上昇
為替相場はドルインデックスが上昇しての推移となっています。米国債利回りが上昇基調を強める中でドルの下値が支えられる展開となっています。ただ、欧州債利回りの大幅上昇などを受けてユーロなどにも買い戻しの動きが見られており、ドルインデックスは伸びを欠きました。現状ユーロ/ドルは1.06ドル台前半、ポンド/ドルは1.24ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円は軟調地合いとなりました。朝方は米株や米国債利回りの上昇などを眺めてドル/円が大幅上昇となり、154円台での動きとなりました。その後、米株や米国債利回りの下落を受けてドル/円は調整売り圧力が強まり、一時154円台を割り込みました。ただ、日米金利差の拡大に対する警戒感が意識される局面となっており、ドル/円は底堅い動きが維持されました。クロス円もつれ高となっており、全体的に円売りの流れが展開されました。現状ドル/円は154円台前半、ユーロ/円は163円台後半、ポンド/円は191円台後半、豪ドル/円は99円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - じり高基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をブレイクしてバンドウォークとなっていましたが、そこから調整の動きが意識され、バンドの中心線を目指しての動きとなっています。ただ、目先はバンドの中心線で支えられてじり高基調となっています。このまま上昇基調を維持してバンドの上限まで上昇できるかに注目です。下値の堅さが意識される展開であり、このまま上昇基調を強めてバンドの上限まで上昇する可能性も十分にありそうです。
現状バンドの上限がじり安、下限が上昇といった動きとなっています。バンド幅は縮小傾向となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積される流れとなっています。まだ縮小の余地はありそうですが、動き出したら大きくなる可能性が高まりつつあるので、バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要でしょう。特に下値の堅さが意識される中でバンドの上限をブレイクする流れは頭に入れておいたほうが良さそうです。ただ、現状ではまだ上限で抑えられる可能性のほうが高いのではないかとみています。