先週末のNY株式市場は大きく下落しての引けとなりました。地政学的リスクの高まりを背景に、リスク回避的な動きが展開され、売り圧力が強まりました。さらにインフレに対する警戒感を受けて下値を拡大しました。ダウは475ドル安の37983ドルでの引けとなりました。
米国債市場は利回りが下落しての引けとなりました。インフレに対する警戒感が高まる一方、米株が大幅下落となったことを受けて安全資産として米国債に対する買い意欲が強まりました。直近の債券売りに対する調整の動きもあり利回りの下げ幅が拡大する流れとなりました。米10年債利回りは4.52%台前半、30年債利回りは4.62%台後半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは上昇
為替相場はドルインデックスが上昇しての引けとなりました。米国債利回りは下落したものの、中東の地政学的リスクの高まりを受けてドルに対する買い意欲が強まる展開となり、ドルは上値を拡大しました。ECBの利下げに対する期待感が高まる一方、米国の早期利下げ観測の後退などが意識され、ユーロ/ドルが軟調地合いとなりました。ユーロ/ドルは1.06ドル台半ば、ポンド/ドルは1.24ドル台半ばでそれぞれ引けました。
円は買い優勢の流れとなりました。中東の地政学的リスクの高まりを背景に円に対する買い意欲が強まる展開となりました。ドルインデックスの上昇を背景に、ドル/円は下げ幅を縮小したものの、クロス円は下げ幅を拡大しており、ユーロ/円などは1円超の下落となって引けました。結局ドル/円は153円台前半、ユーロ/円は163円台前半、ポンド/円は190円台半ばから後半、豪ドル/円は99円台前半でそれぞれ引けました。
ボリンジャーバンド - 上昇基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクする動きから持ち直し基調となり、一時バンドの中心線で抑えられる動きが見られましたが、下げ渋りから上昇基調を強めてバンドの中心線をブレイクし、上限を目指す動きとなっています。上限までは上昇する可能性が高そうで、それをブレイクして上値を拡大するかどうかに注目です。
現状バンドの上下限中心線がほぼ横ばいとなっています。レンジ圏での動きが意識されやすい状況であり、バンドの上限まで上昇してもそこでは抑えられるのではないかとみています。バンド幅も比較的広いので、大きな動きにはなりにくいところではないかとみています。しばらくはバンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動くのではないかとみています。