昨日のNY株式市場はまちまちでの引けとなりました。ダウは米大手銀行の決算を見極めたいとの思惑から様子見ムードが強まる展開となっています。ただ、朝方はインフレに対する警戒感から下げ幅を拡大する場面もありました。一方で米生産者物価指数が予想を下回ったことでインフレに対する警戒感が和らぎ、ハイテク銘柄を中心に買い戻される流れとなりました。結局ダウは2ドル安の38459ドルで引けました。また、NASDAQが大きく上昇し、史上最高値で引けました。
米国債市場は利回りがまちまちでの引けとなりました。米生産者物価指数が市場予想を下回る中で債券に対する買い戻しの動きも展開されましたが、早期利下げ観測の後退が根強く意識されており、長期債を中心に売り圧力が強まりました。米10年債利回りは4.58%台半ばで、30年債利回りは4.67%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは小幅に上昇
為替相場はドルインデックスが小幅に上昇しています。ただ、前営業日終値を挟んでの動きであり、方向感は見えにくい流れとなっています。米国の生産者物価指数が市場予想を下回ったことでドルに対する売りが強まる場面もありましたが、売り一巡後は買い戻されて上値を拡大しました。ただ、積極的に買い進む動きもならず、上値を抑えられています。ダウが小動きとなる中でドルも方向感の見えにくい流れとなりました。現状ユーロ/ドルは1.07ドル台前半、ポンド/ドルは1.25ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円は売られやすい地合いとなっています。米生産者物価指数が市場予想を下回ったことでドル/円も上値を抑えられる場面もありましたが、米国の早期利下げ観測の後退への意識は根強く、下値が支えられました。一方、政府・日銀の介入に対する警戒感も根強く、積極的に買い進む流れにはなっていません。また、クロス円も全体的に底堅い動きが展開されています。大きな動きにはなっていないものの、市場全体に円売りの流れが強まっており、じり高基調が維持されやすい局面となっています。現状ドル/円は153円台前半、ユーロ/円は164円台前半から半ば、ポンド/円は192円台前半から半ば、豪ドル/円は100円台前半でそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの中心線を意識しての動きで、方向感の見えにくい流れとなっています。中心線が下値として意識されているのでやや下値の堅さがありますが、大きな動きにはなっていません。バンドの+1σと中心線で挟まれた狭いレンジであり、しばらくは様子見ムードとなりそうです。
現状バンドの上下限中心線がじり高基調となっています。トレンドそのものはやや上向きといったところで、目先はじり安ですが、バンドの中心線では支えられやすいでしょう。とはいえ、バンドの上下限中心線が横ばいへと変化する可能性も高そうで、バンドの中心線を意識しての動きが維持される可能性も十分にありそうです。しばらくは方向感を見極めながらの対応となりそうです。