昨日のNY株式市場は下落しての引けとなりました。注目を集めていた米消費者物価指数が市場予想を上回ったことで米国の早期利下げ観測が後退し、リスク回避的な動きが強まる展開となりました。市場には年3回に利下げ予想を2回に修正する声や次の政策変更は利下げではなく利上げとする見方も出てきています。こうした動きを受けてダウは422ドル安の38461ドルで引けました。また、ハイテク銘柄にも売り圧力が強まる展開となりました。
米国債市場は利回りが大幅上昇となって引けました。米消費者物価指数が市場予想を上回ったことで米国の早期利下げ観測が後退し、債券に対する売り圧力が強まる展開となりました。米10年債入札が低調となったことも債券売りを強め、利回りは上値を拡大しました。米10年債利回りは4.54%台半ば、30年債利回りは4.62%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは大幅上昇
為替相場はドルインデックスが大幅上昇となって推移しています。米国の消費者物価指数が市場予想を上回ったことでインフレに対する警戒感が強まり、米国債利回りが大幅上昇となったことでドルに対する買い意欲が強まる展開となっています。ドルは主要通貨全般に対して買われやすい地合いとなり、ドルインデックスは約5か月ぶりの高値水準となりました。現状ユーロ/ドルは1.07ドル台半ば、ポンド/ドルは1.25ドル台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移となっています。ドルインデックスの上昇などを眺めてドル/円が急騰して153円を突破する展開となっており、約34年ぶりの水準にまで上昇する展開となっています。米国の消費者物価指数を受けたドル買い圧力が強まっており、ドル/円は上値を拡大しています。一方、クロス円は上値の重い展開となっています。米株の大幅下落などを眺めて円買い圧力が強まり、上値を抑えられています。現状ドル/円は153円台前半、ユーロ/円は164円台半ば、ポンド/円は191円台後半、豪ドル/円は99円台半ばでそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 上値拡大
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をブレイクしてバンドウォークとなって上値を拡大する展開となりました。その後、一時調整の動きも見られましたが、下値の堅さが意識されて下げ渋り、目先は再度バンドの上限を目指して上昇する動きとなっています。調整が入りやすい局面で下げ渋る動きを見せたことで下値の堅さが意識されており、再度バンドの上限まで上昇してもおかしくないところではないかとみています。
現状バンドの上限がじり高、下限が上昇といった動きとなっています。バンドの上下限中心線が上昇する形であり、トレンドそのものが上向きです。バンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動く可能性が高まっており、バンドの上限を目指す動きが強まるのではないかとみています。一時的に調整の動きが入っても下値は堅く、押し目買い優勢の流れとなりそうです。ただ、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいので、バンドの上限まで上昇した場合は調整の動きが入りそうです。