昨日のNY株式市場は上昇しての引けとなりました。米雇用統計で非農業部門雇用者数や失業率が市場予想を上回っており、リセッションに対する警戒感が後退したことでリスク志向の動きが展開されました。また、平均時給が市場予想通りとなったこともインフレに対する警戒感を高めない方向へと作用し、下値を支える展開となりました。ダウは一時39000ドルを回復する展開となり、その後は調整の動きが見られて上値を抑えられましたが、307ドル高の38904ドルで引けました。
米国債市場は利回りが大幅上昇となって引けました。米2年債利回りは10bp超の上昇となっており、上値を拡大しました。米雇用統計の堅調や米株の上昇などを眺めて債券に対する売り圧力が強まる展開となりました。米10年債利回りは4.40%台前半、30年債利回りは4.55%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは上昇
為替相場はドルインデックスが上昇しての引けとなりました。米国債利回りが大幅上昇となる中でドルに対する買い意欲が強まる展開となり、下値が支えられました。ただ、欧州債利回りも上昇しており、積極的にドルを買い進む展開にはなりませんでした。週末ということもあり、ポジション調整の動きが強まり大きな動きにはなりませんでした。ユーロ/ドルは1.08ドル台前半から半ば、ポンド/ドルは1.26ドル台前半から半ばでそれぞれ引けました。
円は軟調地合いとなって引けました。ドルインデックスの上昇を受けてドル/円が底堅い動きとなり、クロス円も全体的にしっかりとした動きとなりました。米株が上昇基調を強めたことでリスク志向の動きが強まり、円売り優勢の流れとなりました。ただ、日銀の介入に対する警戒感は根強く、大きな動きにはなりませんでした。ドル/円は151円台半ば、ユーロ/円は164円台前半、ポンド/円は191円台半ば、豪ドル/円は99円台半ばから後半でそれぞれ引けました。
ボリンジャーバンド - 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動いており、目先はじり安基調となっています。バンドの中心線では支えられており、下値の堅さが意識される流れとなっています。ただ、大きな動きにはなっておらず、方向感の見えにくい流れとなっており、しばらくは様子見ムードが維持されそうです。
現状バンドの上限がじり安、下限は上昇しての動きとなっています。バンド幅は縮小傾向ですが、縮小の余地が大きく、目先はバンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくい局面です。バンドの中心線を意識した狭いレンジでの動きとなる可能性が高いのではないかとみています。