昨日のNY株式市場は大幅下落となって引けました。朝方は米新規失業保険申請件数が市場予想を下回ったことなどを背景に、米国の早期利下げ観測が意識されてリスク志向の動きが展開されました。しかし、中東の地政学的リスクの高まりやカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がタカ派的な発言をしたことなどを受けて売り圧力が強まり下値を拡大し、ダウは530ドル安の38596ドルで引けました。
米国債市場は利回りが低下しての引けとなりました。米株が引けにかけて下げ幅を拡大する中、債券に対する買い意欲が強まる展開となりました。朝方は長期債利回りが堅調地合いとなりましたが、リスク回避的な動きが強まり、マイナス圏に転じての引けとなりました。米10年債利回りは4.30%台後半、30年債利回りは4.47%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは下落
為替相場はドルインデックスが下落しての推移となっています。米国債利回りが低下する中、ドルに対する売りの流れが強まり上値を抑えられています。朝方はドル売りの流れの中、一時104を割り込む動きとなりましたが、売り一巡後は急速に持ち直す展開となっています。現状ユーロ/ドルは1.08ドル台前半から半ば、ポンド/ドルは1.26ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円は買い優勢の流れとなっています。米株が下げ幅を拡大する展開となったことでリスク回避的な動きが強まり、円に対する買い戻しの動きが強まる展開となっています。植田日銀総裁が夏から秋にも利上げの判断を行うといった報道も円に対する買いを強めました。現状ドル/円は151円台前半、ユーロ/円は163円台後半、ポンド/円は191円台前半、豪ドル/円は99円台半ばでそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 持ち直し基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの中心線を意識しての動きから急落し、バンドの下限をブレイクして下値を拡大する展開となっています。ただ目先はバンドの下限から持ち直す動きを見せており、このまま上昇基調を維持してバンドの中心線まで押し戻すかどうかに注目です。流れとしては押し戻す可能性も十分にあるでしょう。
現状バンドの上限が下落に転じ、下限は下落基調を維持する流れとなっています。バンドの上下限中心線が下落しており、トレンドそのものが下向きです。目先は一時的に押し戻していますが、上値は抑えられそうです。バンドの中心線まで戻してそこで抑えられるといった動きになるのではないでしょうか。