昨日のNY株式市場は上昇しての引けとなりました。米国の経済指標の堅調などを背景に、米国経済の先行きに対する警戒感が和らぎ、リスク志向の動きが強まりました。また、朝方はハイテク銘柄に売りが入りNASDAQがマイナス圏での推移となりましたが、エヌビディアが持ち直す動きを見せる中でNASDAQもプラス圏に浮上しました。ダウは320ドル高の39110ドルで引けました。
米国債市場は利回りが低下しての引け。FOMCを控えてポジション調整の動きが展開され、債券に対する買い意欲が強まりました。米20年債入札が好調となったことも債券に対する買いの流れを強め、短期債利回りを中心に下げ幅を拡大する展開となりました。米10年債利回りは4.29%台前半、30年債利回りは4.44%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは上昇
為替相場はドルインデックスが上昇しての推移となっています。米国債利回りは下落したものの、インフレに対する警戒感などから早期利下げ観測が後退しており、ドルに対する買い意欲が根強い局面となっています。ECBが利下げに向けてかじを切る状況となっており、ユーロの上値が抑えられていることもドルに対する買いを意識させています。現状ユーロ/ドルは1.08ドル台半ば、ポンド/ドルは1.27ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円は大きく下落する展開となっています。日銀がマイナス金利の解除を行ったものの、市場は織り込み済みとの反応となっており、さらに植田日銀総裁も緩和的な金融環境を維持すると述べており、円売りの流れが強まる展開となりました。ドル/円は年初来高値を更新しており、上値を拡大する展開となっています。また、クロス円もドル/円につれ高となって上値を拡大する展開となりました。現状ドル/円は150円台後半、ユーロ/円は163円台後半、ポンド/円は191円台後半、豪ドル/円は98円台半ばでそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - じり安基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限を意識しての動きから調整の動きが展開されています。大きな動きではないもののバンドの中心線を目指しての動きが継続しており、上値の重い展開となっています。このままバンドの中心線まで下落する可能性が高まっており、そこで支えられるかどうかに注目です。
現状バンドの上限が横ばい、下限が上昇する動きとなっています。バンド幅は縮小傾向で市場には徐々にエネルギーが蓄積されていく展開ではありますが、バンドの上限が横ばいであり、まずはこの方向感に注意したいところです。目先は大きな動きにはなりにくいところであり、バンドの中心線を意識しての小動きとなるのではないかとみています。