先週末のNY株式市場は下落しての引けとなりました。ミシガン大学の期待インフレ率の速報値が高止まりしたことで早期利下げ観測が後退する流れとなっており、先日のCPIやPPIが予想を上回る伸びとなったことも嫌気される展開となりました。米10年債利回りが上昇したことなどもハイテク銘柄を中心に軟調地合いとなりました。結局ダウは190ドル安の38714ドルでの引けとなりました。
米国債市場は利回りがまちまちでの引けとなりました。インフレに対する警戒感が強まり、早期利下げ観測が後退する流れとなりました。米国債に対する売りの流れが意識されました。しかし、売り一巡後は調整の動きが展開され、30年債利回りがマイナス圏に転じる流れとなりました。結局10年債利回りは4.30%台半ば、30年債利回りは4.42%台後半でそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは上昇
為替相場はドルインデックスが上昇しての引けとなりました。米国のインフレに対する警戒感が強まる中でドルに対する買いの流れが強まりました。ただ、積極的に買い進む展開にはならず、大きな動きにはなっていません。米国債利回りの上値を抑えられたことなどもドル買いの流れに対する調整の動きが意識される展開となりました。ユーロ/ドルは1.08ドル台後半、ポンド/ドルは1.27ドル台前半から半ばでそれぞれ引けました。
円は軟調地合いとなって引けました。日銀がマイナス金利を解除する見通しと報じられたことで政策修正観測が強まりました。しかし、これに関しては織り込み済みとの思惑が強く、円に対する買いは限定的なものとなりました。一方、マイナス金利を解除しても緩和的な金融政策は維持されるとの思惑は根強く、円は売られやすい地合いとなり、ドル/円は149円台を回復しての動きとなりました。ドル/円は149円台前半、ユーロ/円は162円台前半、ポンド/円は189円台後半、豪ドル/円は97円台半ばから後半でそれぞれ引けました。
ボリンジャーバンド - 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から調整の動きが意識されてじり安基調となっています。ただ、バンドの中心線にも届いておらず、狭いレンジでの動きが展開されています。方向感の見えにくい流れであり、しばらくは様子見ムードが維持されるのではないかとみています。
目先はバンドの上限がじり安、下限が上昇する動きとなっています。バンド幅は緩やかに縮小しており、市場には徐々にエネルギーが蓄積される形となっています。ただ、まだ縮小の余地があるため、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところではないでしょうか。まずはバンドの中心線を目指しての動きとなるのではないかとみていますが、バンドの中心線を意識したレンジでの動きが継続するとみています。