昨日のNY株式市場は続伸しての引けとなりました。パウエルFRB議長は議会証言で年内の利下げを示唆する発言をしており、それが好感される展開となりました。米国債利回りの低下なども米株の下値を支える流れを強めました。足元の経済に対する期待感もあり、ダウは130ドル高の38791ドルで引けました。
米国債市場は利回りがまちまちでの推移となっています。パウエルFRB議長の発言を受けて短期債利回りを中心に低下する流れとなる一方、30年債利回りはプラス圏での推移となっています。ただ、全体的には利下げに対する思惑から債券に対する買いの動きが強まっており、上値が抑えられています。現状米10年債利回りは4.08%台前半、30年債利回りは4.23%台後半でそれぞれ推移しています。
為替相場 - ドルインデックスは下げ幅拡大
為替相場はドルインデックスが軟調地合いとなっています。米短期債利回りの下落を眺めてドル売りの流れが強まりました。パウエルFRB議長の議会証言がハト派的なスタンスとなったと市場が意識したことで下値を拡大する展開となっています。ただ、ECB理事会で政策金利が予想通り4.50%で据え置きとなる一歩、インフレは低下しているとの声明が出されており、一時ユーロ売りが強まりドルの下値を支える場面もありました。現状ユーロ/ドルは1.09ドル台半ば、ポンド/ドルは1.28ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円は買い優勢の流れとなっています。ドル/円が1円超の下落となる中でクロス円も軟調地合いとなっています。日米金利差の縮小が意識される中でドル/円は調整売り圧力が強まっています。円は主要通貨に対して買われる流れとなっており、下値を拡大しています。現状ドル/円は148円台前半、ユーロ/円は162円台前半、ポンド/円は189円台半ば、豪ドル/円は97円台後半でそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 狭いレンジでの推移
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動いています。バンド幅はやや狭い状況ではありますが、まだ縮小の余地はありそうです。しばらくは様子見ムードが意識されやすい形であり、バンドの上限、中心線のどちらをブレイクするかがポイントとなりそうです。ただ、目先は方向感が見えにくく、しばらくは動きにくい状況となる可能性も高そうです。
目先はバンドの上下限中心線がじり高基調となっています。やや底堅い動きが意識されやすい状況ですが、積極的に上値を拡大するかは不透明です。現状ではバンドの中心線で支えられてじり高基調となっており、このままバンドの上限まで上昇できるかに注目です。仮に上昇した場合はバンドの上限をブレイクする可能性もないわけではありませんが、基本的にはまだレンジ圏での動きが意識されるのではないかとみています。