昨日のNY株式市場は上昇しての引けとなりました。依然として足元の米経済の堅調が意識される状況で、ソフトランディングへの期待感も根強く、リスク志向の動きが展開されました。米国債利回りが上値を抑えられていることもハイテク銘柄を中心に下値を支える流れとなっています。結局ダウは348ドル高の38773ドルで引けました。
米国債市場は利回りが小幅に低下しての推移となっています。米国の早期利下げ観測はやや後退しているものの、イエレン財務長官がCPIを受けた市場の反応に対して『小幅な動きに焦点を当てるのは大きな間違い』などと指摘しており、当局関係者の意見としてはインフレは一時的な上げ下げはあれど2%の目標に向けた軌道上にあるとの認識が全体的には共有されているのではないか、との見方から買い優勢の流れとなりました。現状米10年債利回りは4.24%台半ば、30年債利回りは4.42%台半ばでそれぞれ推移しています。
為替相場 - ドルインデックスは軟調
為替相場はドルインデックスが下落しての推移となっています。米国債利回りの低下などを眺めてドルの上値が抑えられる展開となっています。米国の早期利下げ観測はやや後退しているものの米小売売上高が弱く、ドル売りの流れが強まる展開となっています。米経済指標はまだら模様であり、やや方向感の見えにくい流れとなっています。現状ユーロ/ドルは1.07ドル台半ばから後半、ポンド/ドルは1.25ドル台後半でそれぞれ推移しています。
円は上値の重い展開となっています。ドルインデックスの下落を眺めてドル/円が150円を割り込む動きとなっており、クロス円も全体的に上値の重い展開となっています。ただ、米株の上昇が円売りを後押しする展開となっており、豪ドル/円などは小幅に上昇しています。ユーロ/円は前営業日比ほぼ変わらずの水準であり、積極的に円を買い戻す動きも見られていません。日銀の金融政策に対する思惑もあり、円売り圧力がくすぶる状況と言えそうです。現状ドル/円は149円台後半、ユーロ/円は161円台半ば、ポンド/円は188円台後半、豪ドル/円は97円台後半でそれぞれ推移しています。
ボリンジャーバンド - 小動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から下落してバンドの中心線を抜けて下値を拡大したものの、下限には届かずに持ち直しています。目先はバンドの中心線を意識しての動きであり、小動きとなっています。このまましばらくバンドの中心線を意識した動きとなる可能性もありそうで、様子見ムードが強まりそうです。
目先はバンドの上限が横ばい、下限がじり安となっています。やや上値の重さが意識されるところではありますが、バンドの下限も横ばいとなる可能性が高く、レンジ圏での動きが意識されそうです。まずはバンドの中心線で抑えられるのかどうかに注目ですが、まずは方向感を見極めながらの対応となりそうです。