米経済に対する先行き期待から、ダウ上昇(4.10 NY時間)
昨日のNY市場では、米株がまちまちでの引けとなりました。先週末の米雇用統計を受けて米国の金融引き締めに対する思惑が強まり、朝方は売り優勢の流れとなりました。しかし、米経済の先行きに対する警戒感が和らいだことで買い戻しの動きも根強く、ダウはプラス圏に浮上し、101ドル高の33586ドルで引けました。一方、米国債利回りの上昇などを背景に、ハイテク株に売りが出たことで、NASDAQはマイナス圏での引けとなりました。
米国債市場では、上昇しての推移となっています。米国の金融引き締めに対する思惑が意識される中で債券に対する売りの流れが継続しています。ただ、先週末の雇用統計時に短縮取引が行われていたこともあって、債券売りが織り込まれており、急激な動きにはなりませんでした。米10年債利回りは3.41%台半ば、30年債利回りは3.62%台後半でそれぞれ推移しています。
為替相場 – 植田日銀新総裁の金融緩和策継続発言が、円売り後押し
為替相場では、ドルインデックスが上昇。米雇用統計を受けての金融引き締めに対する思惑が意識される中、米国債利回りの堅調地合いを背景にドルに対する買い意欲が根強く、ドルインデックスは堅調地合いが維持されています。ユーロ/ドルは1.08ドル台半ば、ポンド/ドルは1.23ドル台半ばから後半でそれぞれ推移しています。
円は軟調地合いで推移。ドルインデックスの上昇を受けてドル/円が上値を拡大する展開となっており、クロス円もつれ高基調となっています。ダウが上値を拡大する展開となる中で、円売り圧力が強まる状況となっています。植田日銀新総裁が就任記者会見で現行の大規模金融緩和策を継続することが適当と述べたことも円売りの流れを強めました。現状ドル/円は133円台半ば、ユーロ/円は145円台前半、ポンド/円は165円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド –じり安
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をバンドウォークする展開から調整の動きが意識され、目先はバンドの中心線を目指す動きとなっています。じり安基調が継続されていましたが、ここにきて下げ渋る展開となっており、中心線で支えられて持ち直す動きとなる可能性も十分に考えられます。
現状、バンドの上限が下落、下限が上昇となっています。バンド幅が急激に縮小する展開となっており、市場にはエネルギーが蓄積されてきています。ただ、まだ縮小の余地は大きく、大きな動きにはなりにくいところです。バンドの中心線で支えられて再度バンドの上限まで上昇といった動きになる可能性もあり、積極的に買い進むといった展開にはなりにくい局面だといえます。