米ISM製造業景況指数の鈍化で、利回り低下(4.03 NY時間)
昨日のNY市場では、米株がまちまちでの引けとなりました。米ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったことを受けて米国の金融引き締めに対する警戒感が後退し、リスク志向の動きが展開されました。ただ、ここまで上昇基調を続けていたこともあり、NASDAQが上値を抑えられてマイナス圏での引けとなりました。ダウは引けにかけて上昇し、327ドル高の33601ドルと高値圏での引けとなりました。
米国債市場では、利回りが大きく下落しました。米ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったことで債券に対する買いの動きが強まる展開となりました。特に利上げに対する警戒感が後退したことを背景に、短期債利回りが下げ幅を拡大しました。米10年債利回りは3.41%台前半、30年債利回りは3.62%台後半でそれぞれ引けました。
為替相場 – 米国債利回りの低下で、ドル売り圧力強まる
為替相場では、ドルインデックスが軟調地合いで推移。米国債利回りが低下する中、ドルに対する売り圧力が強まる展開となっています。さらに、ホルツマン・オーストリア中銀総裁が50bpの利上げも選択肢と発言したことでユーロに対する買い圧力が強まる展開となり、ドルの上値を抑えました。現状ユーロ/ドルは1.09ドル台前半、ポンド/ドルは1.24ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移。ドルインデックスの軟調を眺めてドル/円がやや上値の重い展開となりましたが、ダウの上昇などを眺めて円に対する売りの流れが展開されるも、クロス円は全般的に底堅い動きが展開されました。そうした中で豪ドル/円が1円超の上昇となりました。現状、ドル/円は132円台半ば、ユーロ/円は144円台前半から半ば、ポンド/円は164円台半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド –下げ渋りから小動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクして下げ幅を拡大する展開から目先は小幅に持ち直しています。ただ、戻りが弱く上値の重さが意識されています。狭いレンジでの動きであり、まもなく中心線を意識しての動きとなりますが、ここで抑えられてバンドの下限まで下落するのか、ブレイクして上値を拡大するのかで流れが大きく変わる局面となっています。
現状、バンドの上限が下落する一方で下限が下落基調から持ち直す動きとなっており、バンド幅が縮小傾向となっています。市場には徐々にエネルギーが蓄積されていく状況ですが、まだ縮小の余地は大きく、大きな動きにはなりにくいところだといえます。流れとしてはまだ上値の重さが意識されやすく、バンドの中心線では支えられる可能性が高いといえます。