金融引き締め期待が後退する中、米債券利回り大幅低下(3.24 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が上昇して引けました。金融システム不安は根強く、朝方はダウが300ドル安となるなど下値を拡大しました。しかし、売り一巡後は金融株を中心に買い戻しの動きが強まり、持ち直し基調を強める展開となりました。ダウは結局プラス圏に浮上し、132ドル高の322237ドルで引けました。米国債利回りの低下を受けてハイテク銘柄も底堅い動きとなりました。
米国債市場では、利回りが低下。金融システム不安を背景に、債券に対する買い戻しの動きが強まる展開となりました。米株が買い戻される動きとなる中で下げ幅は縮小しましたが、米国の金融引き締めに対する思惑が後退する中で、債券に対する買い意欲は根強く、利回りは短期債を中心に大幅低下となりました。米10年債利回りは3.37%台半ば、30年債利回りは3.64%台前半から半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 – リスク回避の流れが強まり、円独歩高
為替相場では、ドルインデックスが上昇。米国債利回りは低下したものの、下げ渋る動きを見せたことで、ドルは底堅い動きが展開されました。欧州株が大きく下落する中でユーロに対する売りの流れが強まる展開となっており、ドルの下値が支えられました。ドルは対円では売られたものの、その他の通貨に対しては概ね買われる動きとなりました。ユーロ/ドルは1.07ドル台半ば、ポンド/ドルは1.22ドル台前半から半ばでそれぞれ引けました。
円は所要通貨に対して買われる展開となり、独歩高となりました。欧州株の下落を背景に、リスク回避的な動きが意識され、円に対する買い意欲が強まりました。ドル/円は一時130円を割り込むなど、下値を拡大しました。しかし、米株がプラス圏に浮上する中でリスク回避的な動きが巻き戻される展開となり、円に対する買い意欲が後退し、ドル/円もほぼ変わらずの水準まで持ち直しました。ただ、クロス円はユーロ/円が1円以上の下落となるなど上値の重さが意識されました。ドル/円は130円台半ばから後半、ユーロ/円は140円台半ばでから後半、ポンド/円は159円台後半でそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド –横ばいでの推移から下落
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限を意識しての動きから横ばいでの推移となり、方向感の見えにくい展開となりました。しかし、オセアニア時間に入り上値を抑えられてバンドの中心線まで下落する展開となっています。ここで支えられるかどうかに注目です。
現状、バンドの上限が下落、下限が上昇といった動きになっています。バンド幅は縮小傾向となっており、市場にはエネルギーが蓄積されてきている状況です。ただ、縮小の余地はまだ大きく、大きな動きにはなりにくいため、レンジ圏での動きが意識されやすい局面だといえます。目先はバンドの中心線を意識しての動きですが、ここで支えられて持ち直すものの、上値は重いといった展開になる可能性が高いといえます。