クレディ・スイス銀行の株価急落で金融システム不安再燃(3.15 NY時間)
昨日のNY市場では、米株がまちまちでの引けとなりました。クレディ・スイス銀行の株価が急落したことで金融システム不安が再燃し、朝方からダウが大きく下落する展開となりました。その後、スイス中銀が『必要ならクレディ・スイスに流動性供給との声明を発表したことを背景に買い戻しの動きが展開され下げ幅は縮小しました。ダウは280ドル安の31874ドルでの引けとなり、米国債利回りの大幅下落などを背景に、NASDAQはプラス圏に浮上しての引けとなりました。
米国債市場では、利回りが大幅下落。安全資産としての米国債に対する買い意欲が強まる中、短期債利回りを中心に大幅下落となっています。米2年債利回りは下値を拡大して4%を再度割り込む動きとなるなど、金融システム不安の再燃を受け、FEDの金融引き締めに対する思惑が後退する展開となっています。現状米10年債利回りは3.46%台前半、30年債利回りは3.64%台後半でそれぞれ推移しています。
為替相場 – ECBの金融引き締め期待後退で、ユーロ売り優勢
為替相場では、ドルインデックスが大幅上昇。クレディ・スイス銀行の株価の大幅下落などを背景に、金融システム不安が高まり、ECBの金融引き締めに対する思惑が後退し、ユーロ売り圧力が強まる展開となっています。ユーロ/ドルは1.05ドル台半ばから後半の水準まで下落しドルの下値を支えました。また、ポンド/ドルも1.20ドル台半ばまで下落しており下値を拡大する展開となっています。
一方、円は堅調地合い。ドルインデックスは大幅上昇となったものの、米国債利回りの大幅下落などを背景にドル/円が軟調地合いとなっています。クロス円も軒並み下落するなど、円に対する買い圧力の強まる状況となりました。ドル/円は133円台半ば、ユーロ/円は141円台前半、ポンド/円は160円台半ばから後半でそれぞれ推移しています。ユーロ/円は一時140円割れ、ポンド/円は一時160円割れの水準まで下落しました。
ドル/円・ボリンジャーバンド –持ち直し基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクしてバンドウォークとなっていましたが、そこから持ち直す動きとなっています。一時的な上げ下げはありましたが、目先は堅調地合いでバンドの中心線を抜ける動きとなっています。バンドの上限を目指す動きであり、このまま堅調地合いを維持するかどうかに注目です。
現状、バンド幅が縮小傾向となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されていく状況です。ただ、まだ縮小の余地はありそうで、大きな動きにはなりにくいところだといえます。バンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動く可能性が高い展開だといえます。