米CPIが市場予想を下回る(8.10 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が小幅に上昇して引けました。米国の消費者物価指数が市場予想を下回ったことなどを背景にリスク回避的な動きが強まり、ダウが一時455ドル高となりました。しかし買い一巡後はデイリー・サンフランシスコ連銀総裁の発言や米国債利回りの上昇などを受けてハイテク銘柄を中心に売り圧力が強まったことで上値を抑えられ、結局ダウは52ドル高の35176ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが上昇。米消費者物価指数が市場予想を下回ったことで金融引き締めの長期化に対する警戒感後退し、債券に対する買い戻しの動きが強まる場面もありましたが、30年債入札が低調だったことなどを受けて債券に対する売り圧力が強まりました。長期債利回りを中心に上げ幅を拡大する展開となり、米10年債利回りは4.10%台半ば、30年債利回りは4.25%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 – 米国債利回りが上げ幅を拡大、ドル円上昇
為替相場では、ドルインデックスが小幅に上昇。前営業日終値を挟んでの動きとなりましたが、米国債利回りが上げ幅を拡大したことなどを背景にドルに対する買い戻しの動きが強まる展開となりました。またユーロも買い戻される流れの一方で、ポンドの上値は抑えられるなど、市場全体では方向感の見えにくい流れとなりました。ユーロ/ドルは1.09ドル台後半、ポンド/ドルは1.26ドル台半ばから後半でそれぞれ推移しています。
円は大幅下落。米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感後退から円売り圧力が強まる展開となりました。ダウが小幅に上昇していることもドル/円の下値を支えました。ドル/円は1円超の上昇となっており、ユーロ/円も1円を超す上げとなっています。その他のクロス円も上昇基調を強める流れとなっています。ドル/円は144円台半ばから後半、ユーロ/円は159円台後半、ポンド/円は183円台半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – じり安
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限を意識しての動きから調整の動きが入っています。このまま下落基調を強めてバンドの中心線まで下落するかどうかに注目です。流れとしてはじり安基調が継続しているため、中心線まで調整売りが展開される可能性は十分にあるといえます。
現状、バンドの上下限中心線が上昇しているため、トレンドそのものは上向きです。上限の上昇の勢いが落ちているため、一時的には調整の動きが入る可能性がありますが、押し目買いに支えられて再度バンドの上限まで上昇するという展開を視野に入れておく必要があります。