米CPIを控え、ポジション調整によりダウ続落(8.9 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が続落となって引けました。中国経済の先行きに対する不透明感の高まりや欧州天然ガスの高騰を受けたエネルギー価格の上昇などが意識され、リスク回避的な動きが強まりました。米消費者物価指数の発表を控えてポジション調整から下げ幅を縮小する場面もありましたが、引けにかけて再度下げ幅を拡大し、ダウは191ドル安の35123ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りがまちまち。インフレに対する警戒感が強まったことなどを背景に、2年債利回りなどが上げ幅を拡大する一方、米株の軟調地合いを眺めて10年債利回りなどがマイナス圏での引けとなりました。ただ、長期債利回りも下げ幅を縮小する展開となっています。米10年債利回りは4.00%台後半、30年債利回りは4.17%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 – 欧州株堅調の一方で、ダウの下落が嫌気されドル軟調
為替相場では、ドルインデックスが小幅に下落。ユーロに対する買い戻しの動きが展開され、ドルの上値が抑えられました。ただ米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが強まり、全体的に方向感の見えにくい展開となっています。現状ユーロ/ドルは1.09ドル台半ばから後半、ポンド/ドルは1.27ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円は軟調地合い。米株は軟調地合いとなりましたが、米国債利回りが引けにかけて上昇基調となり、短期債利回りが上値を拡大したことなどを背景に、ドル買いの流れが展開されました。クロス円も全般的に底堅い動きとなりましたが、全体的には大きな動きにはなっておらず、様子見ムードが強まりました。現状ドル/円は143円台半ばから後半、ユーロ/円は157円台半ばから後半、ポンド/円は182円台後半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 上昇一服
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動いており、底堅い動きが継続しています。一時的に調整の動きが入る場面もありましたが、下値は堅くバンドの中心線まで戻さずに再度上昇しています。バンドウォークとなっているわけではありませんが、堅調地合いが維持されている局面です。
現状、バンドの上下限中心線が上昇しており、トレンドそのものは上向きです。一時的な調整の動きが入る可能性はあるものの、押し目買い優勢の局面であり、上値を拡大しやすい状況となっています。再度バンドの上限まで上昇する可能性もある局面だといえます。