フィッチの米国債格下げを背景に、米国債売り優勢(8.3 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が続落して引けました。フィッチの米国債格下げなどが嫌気される展開となり、リスク回避的な動きが維持されました。ただ、米企業決算は全体的には堅調であり、積極的に売り込む流れにはなりませんでした。NY時間中盤では一時プラス圏に浮上するなど、先行きに対する期待感も維持されています。結局ダウは66ドル安の35215ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが下落。フィッチの米国債格下げや米財務省による中期債発行額の引き上げなどを背景に債券に対する売り圧力が強まる展開となりました。10年債や30年債利回りが10bpを超える上げ幅となるなど、大幅上昇となって引けました。米10年債利回りは4.17%台後半、30年債利回りは4.29%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 – 米ISM非製造業景況指数鈍化で、ドル軟調
為替相場では、ドルインデックスが小幅に下落。ISM非製造業景況指数をはじめとする米国の経済指標が全体的に予想を下回ったことなどを受けてドルに対する売りの流れが展開されました。ただ、米国債利回りが大幅に上昇する中でドルに対する買い意欲も根強く、下値を支えられました。ユーロ/ドルは1.09ドル台半ば、ポンド/ドルは1.27ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円は買われやすい地合い。ドルインデックスが上値を抑えられたことなどを背景に、ドル/円が下落しており、クロス円も米株安などを背景に売られやすい地合いとなりました。円は主要通貨に対して買われやすい地合いとなっています。現状ドル/円は142円台半ば、ユーロ/円は155円台後半、ポンド/円は181円台前半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 上値の重い展開
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限から調整の動きから意識されて中心線まで持ち直したものの、中心線で抑えられてじり安基調となっています。このままバンドの下限まで下落するかどうかに注目です。流れとしては下限まで下落する可能性が高いものの、目先は大きな動きにはなりにくいといった局面となっています。
現状、バンドの上限が下落、下限が横ばいといった動きとなっています。バンド幅は緩やかに縮小している状況で、やや上値の重さが意識される局面となっています。このまま売りの流れが意識されてバンドの下限まで下落といった動きとなる可能性は十分にあります。ただ、レンジ圏での動きが展開される中で、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところだといえます。