米利上げ据え置きを背景に、ダウ上昇(6.15 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が上昇して引けました。米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感が強まる一方、パウエルFRB議長が7月利上げに関して明言を避けたことや、小売売上高が予想を上回ったことなどを背景に、リスク志向の動きが意識され、ダウは買い戻しの動きが強まり、428ドル高の34408ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが低下。昨日のFOMCではタカ派的な動きが見られましたが、7月のFOMCでの利上げに対する警戒感が後退していることや新規失業保険申請件数が市場予想を上回ったことなどを受けて債券に対する買い戻しの動きが強まりました。米10年債利回りは3.71%台半ばで、30年債利回りは3.83%台半ばから後半でそれぞれ引けました。
為替相場 – ECBの金融引き締めを背景に、ユーロ急伸
為替相場では、ドルインデックスが下げ幅を拡大。米国債利回りが低下する一方、ECBの金融引き締めの動きを意識したユーロ買いの流れが強まる流れとなっており、ドルの上値を抑えています。現状ユーロ/ドルは1.09ドル台半ば、ポンド/ドルは1.27ドル台後半でそれぞれ推移しています。
円は軟調地合い。ドルインデックスは下落しているものの、リスク志向の動きが展開されてドル/円も上昇し、一時141円台を突破する動きとなりました。米株高などを背景にした円売り圧力が強まりました。ただ、調整の動きが展開される中でドル/円が上げ幅を縮小しています。また、クロス円は大幅上昇となっており、ユーロ/円やポンド/円などは上げ幅が2円に迫る水準での推移となっています。ドル/円は140円台前半、ユーロ/円は153.55円前後、ポンド/円は179円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限を意識しての動きから持ち直し基調となっています。ただ、上値の重さが意識される中でほぼ横ばいでの推移となっています。目先はバンドの中心線が迫ってきている状況ですが、ここで抑えられるかブレイクするのかで流れが変わってきます。
現状、バンドの上限が下落、下限が上昇といった動きとなっています。バンド幅は縮小傾向であり、市場には徐々にエネルギーが蓄積されてきていますが、まだ縮小の余地があるため、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところだといえます。上値の重さが意識される中でバンドの中心線では抑えられ、再度バンドの下限まで下落といった動きとなる可能性を視野にしれておく必要があります。