カナダ中銀のサプライズ利上げを背景に、米債券利回りも大幅上昇(6.7 NY時間)
昨日のNY市場では、米株がまちまちでの引けとなりました。新規の手掛かり材料難を受けて全体的には方向感の見えにくい展開となりましたが、ダウが買い戻しの動きに下値を支えられる一方、ハイテク銘柄に調整売り圧力が強まり、NASDAQが下げ幅を拡大しました。ダウは91ドル高の33665ドルで引けました。
米国債市場では、利回りが大幅上昇。カナダ中銀のサプライズ利上げを背景に世界的なインフレ懸念が意識され、米国の金融引き締めの長期化に対する思惑が連想されました。債券売り圧力が強まる状況で、10年債利回りなどは一時10bpの上昇となりました。米10年債利回りは3.79%台前半から半ば、30年債利回りは3.94%台後半でそれぞれ引けました。
為替相場 – ドル/円の堅調を背景に、円売りの流れに
為替相場では、ドルインデックスがほぼ変わらず。カナダ中銀の予想外の利上げを背景に、ドル/カナダドルが一時大幅に下落する展開となり、対ユーロや対ポンドも軟調地合いとなっています。ただ、米国債利回りの大幅上昇などを背景に買い戻しの動きも展開され、前営業日終値を挟んでの推移となっています。現状ユーロ/ドルは1.06ドル台後半、ポンド/ドルは1.24ドル台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
円は全体的にしっかりとした動き。NZドル/円のようにマイナス圏での推移となったものもありますが、ドル/円が米国債利回りの大幅上昇やダウの堅調などを眺めてしっかりした動きとなったことを受けてクロス円も概ね堅調地合いでの推移となりました。大きな動きにはなっていないものの、買い優勢の流れが展開されました。現状ドル/円は140円台を回復しての動き、ユーロ/円は149円台半ばから後半、ポンド/円は174円台前半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から調整の動きが展開されています。ただ、下値は堅く下げ渋っており、狭いレンジでの動きとなっています。調整の入りやすい局面で横ばいの動きのため、再度上値を拡大してバンドの上限まで上昇といった動きになる可能性は十分にあります。
現状、バンドの上限がじり高、下限が上昇といった動きになっています。上限の上昇の勢いが落ちている点は注意が必要ですが、上昇トレンドが維持されている形となっています。一時的な調整の動きが入る可能性はありますが、基本的には下値の堅さが意識されやすい状況であり、押し目買い優勢の局面と言えます。