ADP雇用統計の改善を背景に、ダウ上昇(6.1 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が上昇して引けました。米債務上限関連法案が下院で可決されたことで米国のデフォルトに対する警戒感が後退したこと、欧州株の上昇、6月の利上げに対する思惑が和らいだことなどが好感されて買い優勢の展開となりました。ADP雇用統計が市場予想を上回ったことも追い風となり、リスク志向の動きが展開されました。結局ダウは153ドル高の33061ドルで引けました。
米国債市場では、利回りが低下。ADP雇用統計の堅調を受けて金融引き締めに対する思惑などから債券が売られる場面もありましたが、米国のデフォルトに対する警戒感の後退や、早期利上げ観測の後退などが意識され、債券に対する買い戻しの動きが強まりました。米10年債利回りは3.59%台半、30年債利回りは3.81%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 – 米債券利回りの低下で、ドル軟調
為替相場では、ドルインデックスが大幅下落。米国債利回りの低下などを背景にドル売り圧力が強まる展開となっています。欧米株の上昇を受けて安全資産としてのドルに対する売りも意識される流れとなっています。ユーロ/ドルは1.07ドル台半ば、ポンド/ドルは1.25ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移。ドルインデックスが大きく下落したことを受けて、ドル/円は139円台を割り込む動きとなっています。一方、クロス円は上昇基調となっています。欧米株の上昇などを眺めてリスク志向の動きが展開され、円売り圧力が強まる流れとなっています。現状ドル/円は138円台後半、ユーロ/円は149円台半ば、ポンド/円は173円台後半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 横ばい
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクしてバンドウォークとなりましたが、目先は売り一巡から調整の動きが展開されています。ただ、上値の重さが意識される中、狭いレンジでの動きとなっています。ほぼ横ばいであり、バンドの中心線が意識される局面となっています。ここから再度下落するのか、バンドの中心線をブレイクして上昇するのかに注目です。ただ、調整の動きが入りやすい場面で上値を抑えられている格好で、売り圧力が強まる可能性が高いといえます。
現状、バンドの上限は下落、下限は下落基調からの持ち直しとなっています。バンド幅が縮小傾向となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されていく状況です。ただ、まだ縮小の余地があるので、大きな動きにはなりにくいところだといえます。バンドの下限からの持ち直し基調であり、バンドの中心線までは上値余地がありそうですが、そこで抑えられる可能性が高いといえます。