『6月会合で利上げを見送るべき』との発言を受け、米国債利回り低下(5.31 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が下落して引けました。米国の金融引き締めや債務上限引き上げ法案の採択への警戒感からリスク回避的な動きが強まりました。ただ、利上げに関してはハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が『FEDは6月会合で利上げを見送るべき』などと発言したことなどを受けて警戒感が若干後退し、株価の下値を支えました。結局ダウは134ドル安の32908ドルで引けました。
米国債市場では、利回りが低下。利上げに対する警戒感は根強いものの、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁の発言や株安などを受けて債券に対する買い戻しの動きが強まりました。米10年債利回りは3.64%台前半、30年債利回りは3.86%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 – ダウ続落の流れから、円堅調
為替相場では、ドルインデックスが小幅に上昇。米国債利回りの低下が上値を抑える一方、ユーロなどに対する売り圧力が強まっており、ドルの下値が支えられました。米雇用関係の指標が好調となったことで金融引き締めに対する思惑が意識されたこともドル買いの流れを強めました。現状ユーロ/ドルは1.06ドル台後半、ポンド/ドルは1.24ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円は堅調地合い。米株の軟調地合いを眺めてリスク回避的な動きが展開されており、円買い圧力が強まっています。ドル/円は一時140円台を回復する場面もありましたが、米国債利回りの低下などを眺めて売り圧力が強まり、マイナス圏に転じる動きとなっています。クロス円も軟調地合いで、ユーロ/円は1円超の下落となっています。現状ドル/円は139円台前半、ユーロ/円は148円台後半、ポンド/円は173円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 小幅持ち直し
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をブレイクしてバンドウォークとなりましたが、目先は小幅に持ち直しています。ただ、戻りの弱さが意識されており、上昇基調を維持できるかは不透明といった状況となっています。持ち直した場合はバンドの中心線を目指す形に、上値を抑えられた場合はバンドの下限を意識しての動きという展開となります。
現状、バンドの上下限中心線が下落しているため、トレンドそのものは下向きであり、警戒感が強まる状況となっています。ただ、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくく、一時的には調整の動きが入りやすいところです。基本的には戻り売り優勢であり、上値の重さが意識されやすい局面となっています。