リスク回避の動きが強まり、ダウはマイナス圏での引け(5.30 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が小幅まちまちでの引けとなりました。債務上限問題の合意に対し、共和党の保守強硬派から批判が噴出しているなどといった報道を受けてやや警戒感が強まり、さらに米国の金融引き締めに対する思惑からリスク回避的な動きが強まる展開となり、ダウは一時199ドル安まで押し込まれました。ただ、売り一巡後は買い戻しの動きが展開されて下げ渋り、結局50ドル安の33042ドルで引けました。一方、ハイテク銘柄に対する買いの流れが維持される中でNASDAQは引けにかけて調整が入ったもののプラス圏で引けました。
米国債市場では、利回りが大幅に下落。米国の金融引き締めに対する思惑は根強いものの、債務上限問題で合意がなされたことを好感し、債券に対する買い戻しの動きが強まる展開となりました。米国債利回りは短期債利回りを中心に下げ幅を拡大し、2年債利回りや10年債利回りは10bpを超す下げとなりました。米10年債利回りは3.68%台半ば、30年債利回りは3.89%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 – 米国債利回りの下落を受け、ドル売り円買い
為替相場では、ドルインデックスが小幅に下落。米国債利回りの大幅下落などを眺めてドル売り圧力が強まる展開となっています。ただ、欧州債利回りの低下や米国の金融引き締めに対する思惑などから下げ渋る展開となっています。現状、ユーロ/ドルは1.07ドル台前半から半ば、ポンド/ドルは1.24ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円は堅調地合いで推移。ドルインデックスが下落したことで、ドル/円の上値が抑えられ、クロス円も軟調地合いとなっています。円は主要通貨に対して買われる展開となっています。ダウの軟調地合いも円に対する買い意欲を強める流れとなっています。ただ、ダウが下げ幅を縮小する中で積極的に円を買う動きにはなっていません。現状ドル/円は139円台後半、ユーロ/円は150円台前半、ポンド/円は173円台半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限から持ち直しの動きが見られていますが、バンドの中心線では抑えられており、上値の重さが意識されています。ただ、バンドの下限までも下落しておらず、目先は狭いレンジでの動きが展開されています。ここからバンドの中心線をブレイクするのか、抑えられてバンドの下限まで下落するのかで流れが変わってくる局面となっています。
現状、バンド幅が縮小傾向を強める展開となっています。市場にはエネルギーが蓄積されており、動き出したら大きくなる可能性が高まっています。目先はバンドの中心線を意識しての動きであり、方向感の見えにくい状況となっていますが、ここからバンドの上限もしくは下限での動きとなった場合はバンドブレイクからバンドウォークといった動きとなる可能性が十分にあるため、方向感には注意が必要です。