インフレに対する警戒感和らぎ、ダウ堅調(5.26 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が上昇しての引けとなりました。米国の金融引き締めに対する思惑は依然として根強いものの、債務上限問題に対する協議の進展への期待感などからリスク志向の動きが展開されました。ミシガン大学消費者信頼感指数確報値を受けて期待インフレが低下したことも意識されました。結局ダウは328ドル高の33093ドルでの引けとなりました。なお、債務上限問題に関しては引き上げで基本合意との報道が伝わっています。
米国債市場では、利回りが小幅まちまち。米国の金融引き締めに対する思惑や米株の上昇基調を眺めて債券に対する売り圧力が強まる展開となり、利回りは上昇基調を強めましたが、インフレに対する警戒感が和らいだことやメモリアルデーを控えていたこともあって調整の動きが展開され、長期債利回りを中心に上値を抑えられました。米10年債利回りはマイナス圏に転じ、3.79%台後半、30年債利回りは3.96%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 – 米債務上限問題が解消し、円独歩安に
為替相場では、ドルインデックスが小幅に下落。朝方は米経済指標の好調や米国債利回りの上昇基調などを眺めてドルに対する買い意欲が強まりましたが、引けにかけて米国債利回りの上値が抑えられたことなどを背景にドルの上値が抑えられ、ドルインデックスはマイナス圏に転じて引けました。ユーロ/ドルは1.07ドル台の前半、ポンド/ドルは1.23ドル台半ばでそれぞれ引けました。
円は軟調地合い。米株が上げ幅を拡大する中でリスク志向の動きが展開され、円売り圧力が強まる展開となりました。米国の金融引き締めに対する思惑からドル/円が上値を拡大する流れとなり、クロス円もつれ高となりました。ドル/円は140円台半ばで、ユーロ/円は150円台後半、ポンド/円は173円台半ばでそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から調整の動きが展開されていますが、下値が堅くほぼ横ばいでの推移となっています。調整が入りやすい局面で下値が支えられる展開となる場合、再度バンドの上限まで上昇する流れとなることも多いため、値動きを注視しながらの対応が必要な局面となっています。
現状、バンドの上限が上昇基調からじり安へ、下限が上昇基調を強める展開となっています。バンド幅は縮小傾向となっていますが、まだ縮小の余地は大きく、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところだといえます。下値の堅さが意識される局面ですので、バンドの上限と中心線で挟まれたレンジで動く可能性が高いといえます。