FED高官のタカ派的な発言で、米債券利回り上昇(5.22 NY時間)
昨日のNY市場では、米株がまちまちでの引けとなりました。債務上限問題に対する警戒感や、米国の金融引き締めに対する思惑が強まっていることなどを背景に、ダウは下落して引けましたが、ハイテク銘柄には買い戻しの動きが展開され、NASDAQはプラス圏での引けとなっています。ダウは140ドル安の33286ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが上昇。ボスティック・アトランタ連銀総裁をはじめ、FEDの高官がタカ派的な発言をしたことなどを受けて債券に対する売り圧力が強まる展開となりました。ダウの軟調地合いを眺めて安全資産としての米国債に対する買い戻しも意識されましたが、利回りはしっかりとした動きを継続しました。米10年債利回りは3.71%台半ば、30年債利回りは3.96%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 – 金利差拡大懸念で円軟調
為替相場では、ドルインデックスが小幅に上昇。米国債利回りの上昇などを背景に、ドルに対する買い意欲が根強い状況となっています。ただ、ECBの金融引き締めに対する思惑からユーロ/ドルはしっかりとした動きが展開されています。ドルは対円では買われたものの、全体的には債務上限問題に対する警戒感などから上値が抑えられました。ユーロ/ドルは1.08ドル台前半、ポンド/ドルは1.24ドル台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
円は軟調地合いで推移。ドル/円が上値を拡大する中でクロス円も上昇基調を強めています。アジア株の上昇などを背景に円売りの流れが強まり上値を拡大する流れとなりました。ドル/円は138円台半ば、ユーロ/円は149円台後半、ポンド/円は172円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド –下値堅い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限を意識しての動きから調整の動きが入り、一時バンドの中心線まで下落する展開となりました。中心線では支えられて持ち直した後は、じり高基調が継続しバンドの上限を目指す形となっています。このままバンドの上限まで上昇できるかどうかに注目です。
現状、バンドの上限は下落基調、下限は上昇基調となっています。バンド幅は縮小傾向を強めており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されてきています。ただ、まだ縮小の余地があるため、しばらくは大きな動きにはなりにくいところだといえます。目先はバンドの上限を目指しての動きとなる可能性が高いですが、上限をブレイクする展開とはなりにくい局面であり、レンジ圏での動きが展開されやすい状況だといえます。