米小売売上高振るわず、ダウ大きく下落(5.16 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が下落して引けました。米小売売上高が市場予想を下回ったことや、バーキン・リッチモンド連銀総裁の「必要があれば利上げも」といった発言、さらには債務上限問題などが意識される中でリスク回避的な動きが強まる展開となりました。ダウは336ドル安の33012ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが上昇。米国の早期利下げ観測の後退などを背景に、短期債を中心に売りの流れが強まりました。長期債利回りは米株の軟調地合いを眺めて上値を抑えられましたが、プラス圏での推移が継続しました。米10年債利回りは3.53%台半ば、30年債利回りは3.85%台前半から半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 – 米国債利回りの上昇を受け、ドル堅調
為替相場では、ドルインデックスが上昇。米国債利回りの上昇などを背景にドル買い圧力が強まる展開となっています。当局関係者が相次いで年内の利下げを否定する中でドルの下値が支えられており、主要通貨に対して買いが優勢となりました。ただ、ユーロなども底堅い動きとなっており、積極的にドルが上値を追うといった展開にはなっていません。現状ユーロ/ドルは1.08ドル台半ば、ポンド/ドルは1.24ドル台後半でそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移。ドルインデックスの上昇を眺めてドル/円が堅調地合いとなり、クロス円も底堅い動きが展開されました。ただ、ポンド/円などは調整の動きから上値を抑えられています。また、米株の軟調地合いを眺めた円買いの動きも見られており、全体的には前営業日終値を意識した水準で推移しています。現状ドル/円は136円台半ば、ユーロ/円は148円台前半、ポンド/円は170円台前半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド –堅調地合い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をバンドウォークする展開から調整の動きが入り、目先はバンドの中心線を意識した動きとなっています。ただ、中心線では支えられており、ここから再度上昇してバンドの上限まで上昇することが出来るかどうかに注目です。中心線で支えられての持ち直しで下値の堅さが意識されている状況であり、再度上限を目指す可能性は高いといえます。
現状、バンドの上限がじり安、下限が上昇といった動きとなっています。バンド幅は縮小傾向となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されてきています。ただ、まだ縮小余地は大きく、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところだといえます。現状はバンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動く可能性が高い展開となっています。