債務上限問題に対する警戒感が強まり、ダウ下落(5.11 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が下落して引けました。米国の債務上限問題に対する警戒感などが意識される中で、金融システム不安が高まる状況となっており、リスク回避的な動きが強まりました。バイデン大統領と議会指導者との債務上限を巡る会談が延期され、懸念が高まって強まっており、ダウは221ドル安の33309ドルで引けました。
米国債市場では、利回りが下落。米生産者物価指数が予想よりも低下しており、米国の金融引き締めに対する思惑が後退したことで、債券に対する買い戻しの動きが強まりました。また、リスク回避的な動きが展開されたことで、安全資産としての債券買い圧力が強まりました。米10年債利回りは3.38%台半ば、30年債利回りは3.74%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 – リスク回避の動きが高まり、円堅調
為替相場では、ドルインデックスが上昇。米国の生産者物価指数を受けて米国債利回りの上値が抑えられており、ドルの上値も抑えられる場面もありましたが、リスク回避的な動きが意識される状況からドルに対する買い意欲が強まる状況となっています。また、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁のタカ派的な発言もドルの下値を支えました。現状ユーロ/ドルは1.09ドル台前半、ポンド/ドルは1.25ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移。ドル/円がドルインデックスの上昇を背景にしっかりとした動きとなる一方、クロス円は全般的に下落しています。米株の軟調地合いなどを背景に円に対する買い意欲が高まり、全体的に円は堅調地合いとなりました。現状ドル/円は134円台半ば、ユーロ/円は146円台後半、ポンド/円は168円台前半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド –じり高基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限から調整の動きが強まり、バンドの中心線を抜けて下限まで下落しました。しかし、下限で支えられて持ち直す動きが展開されました。一時中心線を挟んでの小動きとなりましたが、目先はそこからじり高基調でバンドの上限を目指す流れとなっています。このまま上昇基調を維持してバンドの上限まで上昇することが出来るかどうかに注目です。
現状、バンドの上下限中心線がほぼ横ばいとなっています。バンド幅は広い状況でレンジ圏での動きが意識されやすい局面です。このままバンドの上限まで上昇する可能性は十分にありそうですが、大きな動きにはなりにくいところでありレンジ圏での動きが維持されやすい展開となっています。