米CPI鈍化で米景気不透明に、市場は様子見ムード(5.10 NY時間)
昨日のNY市場では、ダウはマイナス圏で引けました。米消費者物価指数は市場予想を下回る結果となり、コア指数は予想通り前回よりも低下という結果となりました。インフレ鈍化が意識されリスク志向の動きが強まる展開となっています。ただ、米国の年内利下げに関しては当局関係者の発言では可能性は不透明で、ダウは上値を抑えられる展開、前営業日終値を挟んでの動きとなり、引けにかけ小幅に下落、30ドル安の33531ドルでの引けています。
米国債市場では、利回りが下落。米消費者物価指数を受けてインフレ鈍化に対する思惑が強まり、FEDが7月にも利下げに転じるのではないかといった期待感から、債券に対する買い圧力が強まる展開となっています。また、米10年債入札が好調となったことも債券買いを意識させました。米10年債利回りは3.43%台後半、30年債利回りは3.79%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 – ドル安基調の中、円反発
為替相場では、ドルインデックスが軟調地合い。米消費者物価指数を受けて米国債利回りが低下していることを背景に、ドルに対する売り圧力が強まる展開となっています。ECBが9月の利上げの必要性を検討しているとの報道がユーロ買いを後押ししたこともドルの上値を抑える要因となっています。現状ユーロ/ドルは1.09ドル台後半、ポンド/ドルは1.26ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円は買われやすい地合い。ドルインデックスの下落を眺めてドル/円が下落基調を強めており、クロス円もつれ安基調となっています。円に対する買い戻しの動きが意識される中、主要通貨に対して円高基調が強まる状況となっています。現状ドル/円は134円台前半から半ば、ユーロ/円は147円台半ば、ポンド/円は169円台半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド –小幅持ち直し
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限を意識しての動きから目先は小幅に持ち直しています。バンドの中心線を目指す動きであり、堅調地合いとなっています。さらに上昇してバンドの中心まで届く可能性は高まっていますが、そこをブレイクするかどうかに関しては不透明であり、上値を抑えられる可能性も十分にあります。
現状、バンドの上限が下落基調。下限が下落基調からじり高基調へと転じる動きとなっています。バンド幅は縮小傾向となっていますが、まだ縮小余地が大きく、大きな動きにはなりにくいところです。しばらくはレンジ圏での動きが意識されやすく、バンドの中心線まで上昇してもそこでは抑えられる可能性は高い展開だといえます。