好調な米雇用統計を背景に、ダウ大幅上昇(5.5 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が大幅上昇となって引けました。米雇用統計が市場予想を上回ったことで足元の米経済に対する警戒感が和らぎ、買い優勢の流れとなって上値を拡大する展開となりました。ここまでの軟調地合いに対する修正の動きもあり、ダウは546ドル高の33674ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが上昇。米雇用統計の好調を背景に金融引き締めに対する思惑が意識され、短期債利回りを中心に上げ幅を拡大する展開となっています。米株が大幅上昇となったことも債券に対する売り圧力を強める結果となりました。2年債利回りは10bpを超える上昇となる一方で、長期債利回りは上げ渋る流れとなりました。米10年債利回りは3.43%台半ばから後半、30年債利回りは3.75%台前半から半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 – 米株高、米国債金利の上昇を背景に、円売り加速
為替相場では、ドルインデックスが小幅に下落。米国債利回りは短期債を中心に大幅上昇となりましたが、ユーロやポンドに対する買い意欲が根強く、ドルの上値を抑える流れとなりました。ただ、ドルは対円などでは買われる展開であり、ドルインデックスは大きな動きにはなりませんでした。ユーロ/ドルは1.10ドル台前半、ポンド/ドルは1.26ドル台前半から半ばでそれぞれ引けました。
円は軟調地合いとなりました。米国債利回りの上昇を眺めてドル/円がしっかりとした動きとなったことを背景に、クロス円も上昇基調となりました。特にポンド/円や豪ドル/円は1円超の上昇となるなど上値を拡大しています。株高を背景に円売り圧力が強まる展開となりました。ドル/円は134円台後半、ユーロ/円は148円台前半から半ば、ポンド/円は170円台前半でそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド –横ばいでの推移
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をブレイクする動きが見られたましたが、バンドウォークとはならずに調整の動きが展開されました。ただ、バンドの中心線までは下落せず、目先は方向感の見えにくい状況となっています。様子見ムードが強まっていますが、下値の堅さが意識されやすい局面となっています。
現状、バンドの上限がじり安基調、下限が上昇といった動きとなっており、バンド幅が縮小傾向となっています。市場には徐々にエネルギーが蓄積されていく形となっていますが、現状ではまだ縮小の余地があるため、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところです。しばらくは狭いレンジでの動きが意識される状況となりますが、バンドの中心線では支えられる可能性が高い状況だといえます。