利下げに否定的な発言が嫌気され、ダウ下落(5.3 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が下落しての引けとなりました。朝方は買い戻しの動きが展開されて上昇したものの、FOMC後のパウエルFRB議長の記者会見で利下げに関して否定的な発言をしたことなどが意識され、売り圧力が強まる展開となりました。一方、FOMC声明では追加利上げが示唆されなかったことでリスク志向の動きが展開される場面もありました。結局ダウは270ドル安の33414ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが大幅低下となって引けました。FOMC声明で追加利上げに対する思惑が後退したことなどが意識される流れとなっています。パウエルFRB議長のタカ派的な発言を受けて年末の利下げに対する見方が若干後退したものの、依然として市場は利下げを織り込んでおり、債券に対する買い戻しの動きが展開されました。また、米国の債務上限問題や米地銀パックウェストが売却を含め戦略的選択肢を検討などとといった報道が流れたことで、安全資産である米国債に対する買いの流れが展開されました。米10年債利回りは3.33%台半ば、30年債利回りは3.68%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 – 米金利の先安感が嫌気され、ドル続落
為替相場では、ドルインデックスが続落。米国債利回りの大幅低下を受けてドルに対する売りの流れが展開されました。ドルは主要通貨に対して全般的に売られる展開となっており、特に対円でのドル売りが強まっています。現状ユーロ/ドルは1.10ドル台半ば、ポンド/ドルは1.25ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円は買い戻しの動きを継続。ドルインデックスの下落を受けてドル/円が大幅下落となる中でクロス円も軟調地合いとなっています。ドル/円やユーロ/円などは1円超の下落となっており、下値を拡大しています。米株が引けにかけて下げ幅を拡大する中で、円に対する買いの動きが強まりました。ドル/円は134円台後半、ユーロ/円は149円台前半、ポンド/円は169円台半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド –下値を拡大する動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限から中心線をブレイクして上限を目指す動きが見られましたが、上値の重い展開となり、再度バンドの下限を意識しての動きとなっています。下限では一時的に支えられたものの、中心線まで届かずに再度下落して目先バンドブレイクとなって下値を拡大しています。このままさらに下値を拡大するかどうかに注目です。
現状、バンドの上限が上昇に転じたことでバンド幅が拡大しています。目先はバンドの下限をブレイクする動きですが、このままバンドウォークとなる可能性も十分にあります。バンドの上限の方向感に注意する必要がありますが、上昇基調を維持した場合はバンドウォークが継続して下値拡大といった動きになる可能性もあります。