労働市場の悪化懸念から、米株急落(5.2 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が下落して引けました。JOLT労働調査が市場予想を下回ったことなどを背景にリスク回避的な動きが強まり、下値を拡大しました。ダウは一時615ドル安まで下落するなど売り圧力が強まりました。ただ、売り一巡後は米国の金融引き締めに対する思惑が後退したことなどを背景に買い戻しの動きが展開され下げ幅を縮小しました。ダウは367ドル安の33684ドルで引けました。
米国債市場では、利回りが大幅低下となって引けました。米国の労働市場の減速に対する思惑から利上げ観測が後退し、債券に対する買い意欲が強まる展開となりました。短期債利回りを中心に下げ幅を拡大しており、2年債利回りなどは10bpを大きく超える下げとなりました。米10年債利回りは3.42%台半ば、30年債利回りは3.71%台前半でそれぞれ引けました。
為替相場 – ドルインデックスは下落
為替相場では、ドルインデックスが下落。米国債利回りの大幅低下を受けてドルに対する売りの流れが展開されました。ただ、ポンド/ドルは軟調地合いとなるなど、積極的にドル売り込む流れとはなっていません。様子見ムードとなる中、ユーロ/ドルは1.09ドル台後半、ポンド/ドルは1.24ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円は買い戻しの動きが強まる展開となっています。ドルインデックスの下落を受けてドル/円が軟調地合いとなる中で、クロス円も上値を抑えられています。米株が大幅下落となり、リスク回避的な動きが強まる中で円に対する買いの動きが展開されたことも円高基調を強めました。ドル/円は136円台半ば、ユーロ/円は150円台前半、ポンド/円は170円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド –狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限をバンドブレイクからバンドウォークといった動きとなって下値を拡大しましたが、目先はそこから下げ渋る展開となっています。ただ、上値の重い流れとなっており、狭いレンジでの動きが展開されています。やや下値の堅さが意識されますが、まずは方向感を見極めながらの対応が必要な局面となっています。
現状、バンドの上下限中心線が下落基調となっているためトレンドそのもは下向きで、再度売り圧力が強まる可能性が高いといえます。中心線が意識されやすい局面となっているため、戻り売り圧力が強まった場合は、再度バンドの下限まで下落といった展開も意識しておく必要があります。