企業決算の好調を背景に、ダウ上昇(4.28 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が上昇して引けました。インフレに対する警戒感から米国の金融引き締めに対する思惑が強まり、一時マイナス圏での推移となりました。しかし、シカゴ購買部協会景気指数の堅調や、企業決算の好調などを背景にリスク志向の動きが展開され、ダウは上値を拡大し、日中高値圏での引けとなり、272ドル高の34098ドルでの引けています。
米国債市場では、利回りが大幅下落となって引けました。月末の保有債券の残存年限を長期化するための買いが意識されたなどといった指摘もあり、債券に対する買い戻しの動きが強まりました。米国の金融引き締めに対する思惑は強まっているものの、欧州債利回りが大幅下落となっていることもあり、米国債利回りもつれ安となりました。米10年債利回りは3.42%台前半、30年債利回りは3.67%台前半から半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 – 日銀金融緩和維持で、円独歩安
為替相場では、ドルインデックスが小幅に上昇して引けました。ドルは対円で大幅上昇となる一方、対ポンドでは軟調地合いとなるなど、やや方向感の見えにくい状況となりました。ただ、米国債利回りが大幅に低下する中でドルに対する売り圧力は根強く、上値を抑えられる展開となりました。結局ユーロ/ドルは1.10ドル台前半、ポンド/ドルは1.25ドル台半ばでそれぞれ引けました。
円は売り圧力が強まる展開となりました。ドル/円が2円超、ポンド/円に至っては3円超の上昇となる中で、クロス円は全般的に上値を拡大する展開となりました。植田日銀総裁の記者会見でハト派的な金融政策の継続が意識され、円売り圧力が強まる展開となりました。ドル/円は136円台前半、ユーロ/円は150円台前半、ポンド/円は171円台前半でそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド –堅調地合い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と中心線で挟まれたレンジを動いています。一時バンドの上限を目指すも届かずに下落といった動きとなる場面もありましたが、バンドの中心線で支えられて持ち直すなど、下値の堅さが意識される状況です。ただ、上昇の勢いも弱く、目先は狭いレンジでの動きが展開されています。
現状、バンドの上下限中心線がじり高基調となっているため、トレンドそのものはやや上向きです。ただ、大きな動きになっていない状況であり、徐々にバンドの上下限中心線が横ばいとなっていく可能性は高まっています。バンド幅も比較的狭いことから、市場にはエネルギーが蓄積されてきています。動き出したら大きくなる可能性も十分にあるため、バンドの上限もしくは下限での動きには注意が必要です。目先は下値の堅い展開となっているため、バンドの上限に到達した際はバンドブレイクからバンドウォークといった動きとなる可能性も意識しておく必要があります。