STEP3. 2つ以上のEAをセットする
EAでポートフォリオを組む場合など、1つのMT4に複数のEAを稼働させることもできます。
このページではその方法をご紹介いたします。
前提として、MT4(MetaTrader 4)がインストール済みで、すでに1つEAがセッティングされている状態からご説明いたします。
もし、MT4がインストールされていない場合はMT4のインストールをご参照ください。
また、EAがインストールされていない場合はEAのご利用方法をご参照ください。
【関連記事】EAを2つ以上運用するメリットとは?トレード戦略の幅と安定運用を目指すなら!
そもそも2つのEAを設定するメリットとは?知っておきたい5つのメリット
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- 異なる相場に対応できる(トレンド型・逆張り型の併用)
- 通貨ごとの得意分野を活かせる(EAを通貨ごとに最適化)
- 時間足を分けてエントリーチャンスを増やせる
- リスク分散で安定した運用ができる
- 自動化の基盤として最適な運用スタイル
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FX自動売買で複数のEA(自動売買プログラム)を同時に使うのは、実は初心者にこそおすすめの方法です。
理由はシンプルで、「1つのEAだけに頼らないことで、相場の変化による損失リスクを減らせるから」です。
たとえば、あるEAはトレンド相場(価格が上がり続ける、または下がり続ける相場)ではしっかり利益を出せるかもしれません。
しかし、相場が横ばいで動きにくい「レンジ相場」になると、トレンド型EAは無駄なエントリーを繰り返して損失を出してしまうことがあります。
そこで、レンジ相場に強い別のEAを一緒に動かしておくと、片方のEAが苦戦しているときでも、もう片方のEAが得意な場面で利益をカバーしてくれるのです。
たとえば、トレンド型EAがEURUSDで損を出しても、レンジ型EAがUSDJPYで利益を出すことで全体の収支はプラスに保てます。
また、「通貨ペア」や「時間足(1時間足・4時間足など)」を分けることで、より広い範囲の相場に対応できるようになります。
EURUSDの1時間足EAと、USDJPYの4時間足EAを同時に稼働させれば、それぞれが異なるタイミングと条件で自動的にエントリーしてくれるため、エントリーチャンスを逃さず効率的な運用が可能になるのです。
さらに2つのEAを利用することで、次の表のようにEAを1つだけ使う場合では出来ないトレード戦略も可能になります。
比較項目 | EAを1つだけ使う場合 | EAを2つ併用する場合 |
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対応できる相場 | 得意な相場に偏る(例:トレンドのみ) | トレンド・レンジ両方に対応可能 |
通貨の使い分け | 1通貨のみでの取引に限定されやすい | 複数通貨の特性を活かせる |
時間足の活用 | 1つの時間足での戦略に依存 | 短期と中長期の戦略を組み合わせ可能 |
リスクの分散 | そのEAが負けた時の影響が大きい | 一方が不調でも他方でカバーできる |
収益機会の広がり | 限られた条件でしかチャンスを得られない | 多角的にチャンスを拾える |
自動化としての完成度 | 裁量判断に頼る場面が残りやすい | ほぼ完全自動で継続的な運用が可能 |
複数のEAを併用することで相場の幅広い動きに対応しやすくなり、リスク分散と収益機会の増加が見込めやすくなるのです。
2つのEAを設定することで「相場の変化に強くなり」「損失リスクを分散しながら」「利益チャンスを最大化できる」という大きなメリットが生まれます。
2つめのEAをセッティングする流れ
ステップ | やること | 具体的なポイント |
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① MT4を準備する | 取引口座を開設し、MT4をインストール | PC内にMT4をインストール |
② EAを入手する | 使いたいEAを2種類ダウンロード | ファイル形式「.ex4」を確認 |
③ MT4にEAをセット | EAファイルを「Experts」フォルダに配置 | MT4を再起動し、ナビゲーターに表示されることを確認 |
④ EAをチャートに設定 | 異なる通貨ペア・時間足で2つのチャートを開く | それぞれに別のEAをドラッグ&ドロップ |
⑤ MagicNumberを確認・設定 | EA設定画面で重複がないように変更 | 例:EA1=1001、EA2=2001など |
基本的にはEAのご利用方法で紹介した流れの通りです。
基本的な作業は1つ目とほぼ同じ。違いはMagicNumberの設定ぐらいです。
しかし、先にも触れたように2つ目のEAを設定するメリットは小さくありません。
通貨や時間足を変えて並行して動かすだけで、運用の幅が大きく広がります!
さて、改めてMT4の準備からはじめましょう。
STEP1:EAのダウンロードと設定の流れ
上記の流れでMT4のインストールが完了したら、証券会社から届いた「ログインID」「パスワード」「サーバー情報」を入力してMT4にログインします。
その後、次の手順にしたがってEABANKのサイトからEAを2種類ダウンロードして、パソコン上に保存します。
さて、それでは2つ目のEAを設定する方法に移りましょう。
STEP2:2つめのEAを「Expert」フォルダに保存
あらかじめ2つめのex4ファイルを「MQL4」フォルダ→「experts」フォルダにコピーし、MT4を再起動しておきます。
STEP3:新規チャートを作成し、2つ目のEAを設定
上記の流れで1つ目のEA設定が完了しました。
また2つ目のEAを設定する場合も新たに「新規チャートの作成」ボタンをクリックし、EAを動かすための通貨ペアのチャートをもう1枚開き、時間足を合わせた後、EAをタブルクリック、もしくはドラッグ&ドロップします。
上記の設定後、EAのパラメータの設定値を入力。
すでに設定している1つ目のEAで使用されているMagicNumberと重複しないように気をつけてください。
複数EAを起動させたMT4はこのようになります。
MT4で2つのEAを同時稼働させる際のよくある質問(FAQ)
Q1. EAを2つ動かすと、互いに干渉してしまうことはありますか?
A. 同じチャート上に2つのEAを設定すると、エントリーや決済の命令がぶつかる恐れがあります。必ず異なるチャート(通貨ペアや時間足)を用意し、それぞれに1つずつEAを設定してください。
また、MagicNumberを変更して重複しないようにすることも重要です。
Q2. MagicNumberって何ですか?設定しないとどうなりますか?
A. MagicNumberとは、EAが自分のポジションを識別するための番号です。これが同じだと、EAが他のEAのポジションを誤って操作してしまう可能性があります。
EAを2つ以上使う場合は、それぞれ異なるMagicNumber(例:1001/2001など)に必ず設定してください。
Q3. 通貨ペアや時間足はどうやって分ければいいですか?
A. 通貨ペアを分ける場合は、たとえば「EA①をEURUSDの1時間足」「EA②をUSDJPYの4時間足」といったように、通貨も時間足も異なる組み合わせにすることで、EAが独立して動作しやすくなります。
Q4. チャートが増えてMT4が重くなるのが心配です。どうすればいいですか?
A. EAを複数動かすと、MT4に負荷がかかることがあります。
ご利用のPCに不安がある場合は、VPS(仮想専用サーバー)を使うようにしましょう。
VPSなら24時間安定して動作し、MT4を閉じてもEAが止まることはありません。安定運用を目指すなら、VPS環境の導入を検討しましょう。
【関連記事】[ XMTrading ( XM ) ]無料で使えるVPS の設定/解約
Q5. 2つ目のEAを設定しても動きません。何が原因ですか?
A. よくある原因は以下の通りです。
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- チャートの時間足がEAに合っていない
- 自動売買ボタン(MT4上部)がOFFになっている
- MagicNumberの設定ミス
- 必要な通貨ペアが非表示になっている
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1つずつ確認し、チャート右上にニコちゃんマーク「:)」が表示されていれば正常稼働中です。
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