EA-BANK モーニングレポート
金融引き締めの長期化懸念根強く、ダウ続落(8.29 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が続落しての引けとなりました。パウエルFRB議長の講演を受けたタカ派的な金融政策に対する警戒感からリスク回避的な動きが維持されましたが、先週末にダウが1000ドル超の下落となったことに対するポジション調整の動きなども意識されており、ダウは一時プラス圏に浮上する場面もありました。ただ、米国のリセッションに対する懸念などが上値を抑え、結局184ドル安の32098ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが上昇しての推移となっています。米国の利上げ加速に対する思惑から、債券に対する売りの流れが強まる展開となっています。米国債利回りは長期債を中心に上げ幅を拡大する展開となっており、利回りが逆転している2年債利回りと10年債利回りのスプレッドが縮小する流れとなっています。米10年債利回りは3.10%台、30年債利回りは3.24%台でそれぞれ推移しています。
為替相場 – 日米金利差の拡大を背景に、円安ドル高継続
為替相場では、ドルインデックスがほぼ変わらずでの推移となっています。NY時間序盤はポジション調整の動きが意識されたことで上値を抑えられる動きも見られましたが、米国債利回りの上昇などを眺めて底堅い動きとなり、前営業日終値を挟んでの動きが展開されています。ユーロ/ドルは持ち直し基調でパリティを挟んでの動き、ポンド/ドルは上値の重い展開で、目先は1.17ドルを割り込んでの推移となっています。全体的には様子見ムードから方向感の見えにくい展開となりました。
円は対ドルで大幅下落となり、ドル/円が一時139円台を付けるなど上値を拡大しました。その後は調整の動きが入ったものの、138円台後半での推移となっており、日米金利差の拡大を意識しての円安基調となっています。ユーロ/円も138円台半ばから後半での推移、ポンド/円も162円台前半での推移となっており、全体的に円売りの流れが強まりました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – レンジ圏での動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と下限で挟まれたレンジを動いており、方向感の見えにくい展開となっています。目先はバンドの下限から持ち直し、中心線を抜けて上限まで到達したものの、そこで抑えられて中心線を目指しての動きとなっています。中心線で支えられて持ち直すかどうかに注目です。
現状、バンドの上下限中心線がじり高基調であり、比較的底堅い動きが意識されやすい形です。バンドの中心線では支えられ、再度上限まで上昇する可能性が高そうです。ただ、大きな動きにはなりにくく、バンドの上限をブレイクなどといった動きになる可能性は目先低いでしょう。バンド幅はそこまで縮小しているわけではないため、バンドの上限と下限で挟まれたレンジでの動きが継続する可能性が高いといえます。