MT4・MT5は互換性ある？EAの違いに沿った MTの選び方

「MT4とMT5って何が違うの？」、「1つのMTで全部のEAを動かせたら便利なのに」

EAに合わせてMTを変えるの手間ですよね。それを手間に思う気持ちはすごく分かりますが、MT4とMT5に互換性はありません。

MT4に対応したEAはMT4、MT5に対応したEAはMT5で動かすのが効率的な稼働方法です。

 

MT×EAの個性を理解して利益向上を目指す！

• MT4とMT5に互換性はない
• それぞれのMTに合わせたEA運用が大事！
• MT×EAの個性を活かした運用が利益向上の鍵
• 自分が自動売買で目指す稼ぎ方方合わせてMTと EAを選ぶ

なぜなら、MT4とMT5は得意な稼ぎ方や注文・分析の処理の仕組み が違うからです。

MTに本領を発揮させるには、トレーダーも戦略的にMTと EAを使う必要があります。

この記事では、

• MT4とMT5の違い
• EAのタイプに沿った運用戦略の考え方

について解説します。

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MQL4→MQL5変換ツールの罠！互換性に潜むリスク

MT4・MT5とEAに互換性がないのはそれぞれを動かしているプログラム言語が異なるからです。

言い換えれば、EAのプログラム言語を変換してしまえば、 MT5で MT4対応EAを動かせるようになります。

しかし、変換は決しておすすめできません。

目的	MQL4コード	MQL5コード	注意点
成行の買い注文を出す	OrderSend(Symbol(), OP_BUY, 0.10, Ask, 3, 0, 0, “buy”, 0, 0, clrBlue);	#include <Trade/Trade.mqh>CTrade trade;trade.Buy(0.10, Symbol());	MT5はトレードAPIが刷新されている。MqlTradeRequest/OrderSend()の低レベル実装か、CTradeクラスの高レベルAPIを使う。引数や戻り値の扱いが異なる。
移動平均の値を取得する	double ma = iMA(Symbol(), 0, 20, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE, 0);	int h = iMA(Symbol(), PERIOD_CURRENT, 20, 0, MODE_SMA, PRICE_CLOSE);double buf[];CopyBuffer(h, 0, 0, 1, buf);double ma = buf[0];	MT5はインジケータはハンドル方式。CopyBufferでバッファを読み出す。呼び出し回数やタイミングに注意。ハンドルはOnDeinitで解放する。
現在ポジションの情報を取得する	if (OrderSelect(0, SELECT_BY_POS, MODE_TRADES)) {  string sym = OrderSymbol();  double vol = OrderLots();}	if (PositionSelect(Symbol())) {  string sym; double vol;  PositionGetString(POSITION_SYMBOL, sym);  PositionGetDouble(POSITION_VOLUME, vol);}	注文（Order）とポジション（Position）の概念が分離している。MT5はOrder*/Deal*/Position*の各APIを使い分ける。列挙体や取得関数も別物。

（EAの変換例）

なぜなら、変換に失敗したらEAが動かなくなったり、トレードで損失を被ったりするからです。

EAの変換自体は「コンバーター」と呼ばれるプログラムを使えば、概ね自動で行われます。ここまでは良いのですが、「おすすめしない」と書いた理由はこの後にあります。

実は、コンバーターによる変換の精度は高くないんです。

コンバーターで変換されていない箇所は手動で変換する必要がありますが、そのときには、スペルだけでなく、半角スペースの有無、括弧やイコールの半角全角も正確に書き直さなければなりません。

スペルや括弧が1文字でも間違えていれば、EAが動かなかったり、バックテストと真逆の動きをしたりします。EAが止まれば「おかしい」と異常に気がつけますが、EAが稼働したままバックテストやEA本来のロジックと逆の動きをしていた場合、損失がどんどん膨らみ続けます。

そのような事態を避けるため、MT4対応のEAは MT4で。MT5対応EAはMT5で稼働させましょう。

 

互換性はゼロ。でもどちらも現役。MT4とMT5のリアル

MT4は古い印象があるかもしれませんが、EA運用においてはMT4は今も多くのトレーダーに重宝されています。

項目	MT4	MT5
リリース年	2005年	2010年
言語	MQL4（手続き型でシンプル）	MQL5（オブジェクト指向で高機能）
注文方式	1銘柄1ポジションのみ	複数ポジション対応（ヘッジ・ネッティング）
時間足	9種類	21種類以上
バックテスト	単一通貨・単一スレッド	複数通貨・マルチスレッド対応
EA互換性	MT4専用EAのみ利用可	MT5専用EAのみ利用可（互換性なし）
特徴	対応EAは数万以上	高機能・将来性が高い

（MT4とMT5の違い）

その理由はMT4は対応EAが多く使いやすいからです。MT4がリリースされた当初、FX業社はトレーダーの「自動売買をやりたい」という気持ちに答えるべく、MT4対応EAを開発しました。

FX業社が一斉にMT4対応EAを量産した結果、MT4はEA運用のスタンダードになります。性能だけをみるとMT5がリリースされた2010年を機に勢力図が変わってもおかしくありませんが、そうはなりませんでした。

なぜなら、MT4にも自動売買で利益を上げるのに必要な時間足とインジケーターが備わっているからです。機能だけをみれば、MT4よりも時間足やインジケーターが豊富なMT5が高性能なのは言うまでもないでしょう。

とは言え、MT4にある9種類の時間足だけでも滞りなく自動売買できるのです。それぞれを比較するとMT4に物足りなさを感じるかもしれませんが、この最小限度の機能性が初心者トレーダーなど多くの投資家から「使いやすい」と好評を博します。

トレーダーからの好評を声を背景に、MT4は「EA運用の名機」として重宝されています。

 

迷うのは当然！MT4・MT5の長所と短所をまずは整理しよう

対応EAの数はMT4が上回っていますが、インジケーターと時間足はMT5のほうが豊富であり、通貨と相場の分析力はMT5が上です。また、分析・注文などの処理性能もマルチスレッドを搭載しているMT5に分があります。

MT4・MT5、それぞれに特徴があります。

それぞれの特徴を押さえた上で、EA運用の戦略を練っていくと自動売買で利益をあげやすくなります。

項目	MT4	MT5
メリット	・軽量で動作が安定 ・既存EAやインジケーターが豊富 ・世界的に普及し情報量が多い	・複数ポジション ・部分決済に対応 ・時間足や標準インジケーターが多い ・マルチスレッドでバックテストが高速
デメリット	・1銘柄1ポジションしか保有できない ・部分決済不可 ・MetaQuotesの公式サポートは縮小傾向	・EA・インジケーターはMT4と互換性なし ・動作が重めで高スペックPC推奨 ・既存資産が少なく学習コストが高い

（MT メリット・デメリット）

具体的にはすぐに利益を上げたいのならMT4でのEA運用が良いでしょう。MT4は自動売買市場において老舗のような存在です。

MTの稼働期間の長さに比例するように、これまでの取引で優秀な成績を上げたEAもたくさんあります。

相場の特徴を把握して、EAを選べるようになればEA運用を始めてから短期間で利益を上げるのも難しくありません。

EAの選び方については後述します。

一方、中長期的に利益を確保するならMT5が向いています。MT4では1銘柄につき1ポジションしか持て
ませんでしたが、MT5では複数ポジションを同時に保有でき、部分的に利確・損切りも可能です。

 

中長期で利益を積み上げるなら、選ぶべきはMT5」

中長期で利益を獲得する場合は「含み益を確保しながら新しい通貨を買ってみる」など守りと攻めを両立させた戦略がカギをにぎりますが、その戦略はMT5でしか取れません。

また、MT4では30種類だったインジケーターがMT5では80種類に急増しています。EA運用では値動きが緩やかなときもあれば、値動きが激しいときもあります。

乱高下が激しい場面の対策を考えるとき、資金の流入出を示す「マネーフローインデックス」や、出来高と値動きの強さを読み取れる「マーケットファシリテーションインデックス」など、MT5でしか得られない情報があれば、その場面ごとに「上昇トレンドの初動を逃さずに仕掛ける」「出来高の急増を見て無理なエントリーを避ける」といった具体策がみえてくるでしょう。

 

短期スキャルから長期トレンド追随まで、MT5ならではのEA戦略 

EAは大きく以下の3つに分類できます。

• スキャルピングEA（短期運用型EA）
• デイトレ・スイング系EA（中期運用型EA）
• 長期運用型EA

EA運用は、やみくもに通貨を買っても利益は上がりません。しっかりと利益を確保するには戦略が不可欠です。MT4でも問題なく運用できますが、「戦略を立てること」においては、時間足・インジケーターが豊富なMT5が上です。

また、運用においてもEAごとにMT5でしか得られないメリットがあります。

戦略	特徴
スキャルピング（超短期売買）	数秒～数分で小さな値幅を狙う。1日に取引回数が多い。
デイトレード（1日完結型）	数時間～1日で売買を完結。短期トレンドを狙う。
長期運用（スイング～ポジション）	数週間～数か月の保有。大きなトレンドを狙う。

（EA戦略の種類と特徴）

スキャルピングは取引開始後、数秒〜数分以内で収益を確定させるタイプのEAです。数pipsの利益を積み重ねる取引では、注文処理の一瞬の遅れが「利確のはずが損切りに変わる」ことも珍しくありません。

MT4でもEA運用は可能ですが、通貨売買や利確の処理速度が早いMT5を使ったほうが損失が出るリスクを低くできます。

デイトレードは取引開始後、数十分〜1日以内に利益を確定させるタイプのEAです。通貨ペアによって異なりますがデイトレード型EAの利益目安は30pips〜100pipsとされています。この範囲外のときに通貨を売買しても利益を最大化できません。

MT5のインジケーターと時間足はMT4よりも細かな値動きを追えるため、利益を上げやすくなります。

長期運用型は、数週間〜数ヵ月かけて利益確保するタイプのEAです。長期運用の場合は、運用期間中に大きな損失を抱えないよう「含み益を守ること」と「利益を上げること」を同時進行させるのが一般的です。

MT5は1回の取引で複数ポジションを保有でき、部分決済に対応しているため、それらを両立がさせられます。それにくわえ、MT5には週足・月足という時間足が使えるようになっています。この点も長期運用と高相性と言えるポイントです。

 

戦略別トレード診断！自動売買のベストマッチを見つけよう

タイプ	プラットフォーム	EA例（EA-BANK掲載）	特徴
スキャルピング型	MT4 / MT5 どちらでも可		数秒〜数分で小幅を積み重ねる短期向け
デイトレード型	MT5向き		分析精度を活かし、数時間〜1日の値幅を狙う
長期運用型	MT5向き		複数ポジションや長期足分析を活かして大きなトレンドを狙う

（タイプ別 EAの特徴）

MT4とMT5、どちらを使っても問題なく自動売買できます。その点で MTとしての性能に大きな差はありません。

しかし、詳しく言えばMT4は組み合わせられるEAの数、MT5は通貨・相場の分析力と売買や利確のスピードに特徴があります。

明確な特徴があるならば、それを押さえた上で最適なEAの運用戦略を立てられれば、実トレードでの利益も必然的に大きくなるでしょう。

上記のEABANKで配布されているEAを挙げながら、MTの使い分けのポイントを解説していきます。

 

スキャルピング型EAの運用戦略「Capricorn EURJPY（EURJPY・M5）」をまず挑戦してみて！

• ユーロ円対応のスキャルピングEA
• 数秒〜数分で利確し、MT4/MT5両対応
• 売買は移動平均線と価格変動で判断
• MT選択の基準は処理速度の必要性
• 単一ならMT4、複数通貨ならMT5が有利

「Capricorn EURJPY（EURJPY・M5）」は、ユーロ円を対象にしたスキャルピング型EAです、スキャルピング型EAは取引開始後、数秒〜数分以内で利確する特徴があります。

そのためMT4とMT5で運用方法が異なり、MTの使い分けが重要になります。

1つの通貨ペアを売買するならMT4で問題ありませんが、複数の通貨ペアのポジション を同時に持ってEA運用する場合はMT5を使ったほうが、売買のタイミングを逃さないでしょう。

Capricorn EURJPY｜EA-BANK 

 

デイトレード型EAの運用戦略には「Kingdom FIRE GBPJPY_M15_For EA-BANK（GBPJPY・M15）」がおすすめ！

• ポンド円対応のデイトレードEA
• 基準は15分足のローソク足とトレンド
• 5分足はノイズ過多、1時間足は機会不足
• 15分足は精度と回数のバランスが良い
• MT5は12分足・20分足でサイン補強できるため、トレードの精度が高まる

「Kingdom FIRE GBPJPY_M15_For EA-BANK（GBPJPY・M15）」は、ポンド円を対象としたデイトレード型EAです。

15分足のローソク足が示す「始値・高値・安値・終値」や、そこから導かれる移動平均線やトレンドの方向性を基準に取引を行う設計になっています。

デイトレード型EAは、5分足では情報が細かすぎて小さな値動きに過剰反応してしまい、本来のトレンドとは関係のない売買サインが多く出る一方で、1時間足では1本のローソク足が形成されるまでに時間がかかりすぎ、売買のタイミングそのものが少なくなってしまいます。

そのため、短期トレンドを効率よく捉えられる「15分足」は、余計なサインを減らしつつも十分な取引回数を確保できるバランスの良い時間足なのです。

MT5では、15分足に加えて12分足や20分足も使えます。15分足を情報収集の基準にしつつ、それに近い時間足で 12分足や20分足でも「買いの傾向」が出ているかをみたほうが損しにくくなります。

複数の時間足で買いの傾向が出ていれば「買いどき」と判断できるでしょう。

Kingdom FIRE GBPJPY_M15_For EA-BANK｜EA-BANK  

 

長期運用型EAの運用戦略には「THE_AUDCAD_typeB_M5_V1_EB」がおすすめ！

• THE_AUDCAD_typeB_M5_V1_EBは豪ドル／カナダドル対応EA
• 5分足を使うが、数時間〜数日ポジションを保有して利益を狙う
• AUDCADは資源価格や経済指標の影響で一方向に動きやすい
• トレンドが出ると比較的長く続く傾向がある
• 長期足分析が可能なMT5との相性が高い 

「THE_AUDCAD_typeB_M5_V1_EB（AUDCAD・M5）」は、豪ドル／カナダドルを対象にしたEAです。5分足を使って取引しますが、すぐに決済するのではなく、数時間から数日程度ポジションを保有しながら、利益を上げることが多いEAです。

「THE_AUDCAD」の動きには通貨ペアの特性が関連しています。対象となる通貨ペアAUDCADは、資源価格や経済指標の影響で一方向に大きく動きやすく、1度トレンドが発生すると比較的長く続く傾向が見受けられます。

そのため、週足・月足を備えたMT5と親和性が高いのです。

THE_AUDCAD_typeB_M5_V1_EB｜EA-BANK  

 

MT4かMT5か？EA選びの“目的”が勝敗を左右する

MT4とMT5に互換性はありません。MT4対応EAはMT4で、MT5対応EAはMT5で稼働させるのかもっとも効率的な運用方法になります。

その上で、自動売買で稼ぐために必要なのは「自分がどう稼ぎたいか」「利益を上げるためにどんな情報が必要か」を明確にすることです。

数時間〜数日単位で利益を狙うならばMT4を使った運用で問題ありませんが、それを超えるならば週足・月足のあるMT5を使ったほうが稼ぎやすくなります。

そして、「どう稼ぎたいか」が決まれば使うべきMT・EAも絞られてきます。まずはどう稼ぎたいかを考えながら、EAやMTを比較してみてください。

 

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その上で、自動売買の稼ぎを左右するのがMTとEAの組み合わせです。

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MT4にも、MT5にも、それぞれのEAにあった運用の良さがあります。ただ、それは実際にEAを使ってみないとわかりません。

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