先週末のNY市場は米株が続伸しての引けとなりました。米雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を下回り、失業率が予想を上回るなど、全体的に悪化する結果となりました。また、ISM非製造業景況指数も市場予想を下回る結果となりました。こうした結果を受けて米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感が後退し、リスク志向の動きが強まる展開となりました。ダウは222ドル高の34060ドルで引けました。
米国債市場は大幅下落となって引けました。米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感が後退したことで短期債利回りを中心に下げ幅を拡大する展開となりました。2年債利回りは15bpの下落となるなど、大幅下落となっています。長期債利回りは米株の上昇などを背景に下げ渋る展開となりましたが、マイナス圏での動きは維持されました。米10年債利回りは4.57%台前半、30年債利回りは4.76%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 - ドルインデックスは大幅続落
為替相場はドルインデックスが大幅続落となって引けました。米国債利回りが大幅下落となる中でドルに対する売り圧力が強まる展開となりました。米株が上昇したことで安全資産としてのドル買いの流れが巻き戻されたこともドルの上値を抑えました。ユーロ/ドルは1.07ドル台前半から半ば、ポンド/ドルは1.23%ドル後半でそれぞれ引けました。
一方、円はまちまちでの引けとなりました。ドルインデックスの大幅下落を眺めてドル/円が1円超の下落となる中、クロス円は米株の上昇などを眺めて買い優勢の流れが強まりました。ポンド/ドルの大幅上昇などを受けてポンド/円が1円超の上昇となるなど、円は対ドル以外では売られやすい地合いとなりました。ドル/円は149円台半ば、ユーロ/円は160円台前半、ポンド/円は184円台後半、豪ドル/円は97円台前半でそれぞれ引けました。
ボリンジャーバンド - 上値重い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの中心線を目指しての動きとなっていましたが、中心線には届かず上値を抑えられています。このままバンドの下限まで下落するかどうかに注目です。上値の重さが意識される展開であり、下限まで下落する可能性も高そうです。
現状、バンドの上限が下落、下限が上昇といった動きとなっています。バンド幅は縮小傾向を強めており、市場にはエネルギーが蓄積されてきています。ただ、まだ縮小の余地はありそうで、バンドの上下限で挟まれたレンジを動くのではないでしょうか。目先はバンドの中心線で抑えられており、バンドの下限まで下落する展開となるのではないかとみています。