利上げ観測鈍化で、米国債利回りが大きく低下(8.29 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が上昇して引けました。米JOLTS求人件数が市場予想を下回ったことなどを受けて米国の利上げ観測が後退し、リスク志向の動きが強まる展開となりました。ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長が金融政策はデータ次第と発言しており、市場ではFEDの利上げ局面の終了が近付いてきているといった見方が強まっています。ダウは292ドル高の34852ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが大きく低下。米経済指標を眺めて米国の金融引き締めの長期化に対する警戒感が後退し、債券に対する買い戻しの動きが強まりました。米2年債利回りは10bpを大きく超える下げとなり、10年債利回りは4.12%台前半、30年債利回りは4.22%台半ばでそれぞれ引けました。
為替相場 – ドル/円一時147円突破も、145円台に急落
為替相場では、ドルインデックスが軟調地合い。米国債利回りが大幅低下となる中でドルに対する売り圧力が強まる展開となっています。現状ユーロ/ドルは1.08ドル台半ばから後半、ポンド/ドルは1.26ドル台半ばでそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移。ドルインデックスの軟調地合いを眺めてドル/円の上値が抑えられる一方、クロス円は米株の上昇などを眺めて円売りの流れが強まりやすい状況となっていますが、小幅まちまちとなっています。全体的にはやや方向感の見えにくい展開となっています。現状ドル/円は145円台後半、ユーロ/円は158円台半ば、ポンド/円は184円台前半から半ばでそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 小幅持ち直し
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をバンドウォークして上値を拡大する動きから急落し、そのままバンドの中心線を抜けてバンドの下限まで下落する展開となりました。そこからバンドウォークといった動きにはならなかったもののじり安基調で下値を拡大しました。ただ、目先は下げ渋りから小幅に持ち直し、バンドの中心線を目指す動きとなっています。
現状、バンドの上下限中心線は下落しており、トレンドそのものは下向きです。一時的に持ち直す動きとなっても上値は重く、戻り売り優勢の局面となっています。バンドの中心線まで戻す可能性はありますが、そこでは抑えられて再度バンドの下限を目指す動きとなる展開も視野に入れておく必要があります。