EA-BANK モーニングレポート
インフレ期待の高まりにより、米国債金利大幅上昇(2.24 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が下落して引けました。米PCEデフレーターなどが市場予想を上回ったことでインフレに対する警戒感が意識され米国の金融政策に対するタカ派的な思惑が強まる展開となりました。ダウは一時510ドル安まで下落し、その後ショートカバーに支えられて持ち直したものの、336ドル安の32816ドルでの引けとなりました。また、米国債利回りの上昇などを眺めてハイテク銘柄にも売り圧力が強まり、NASDAQが大幅下落となりました。
米国債市場では、利回りが大幅上昇となって引けました。短期債利回りを中心に上げ幅を拡大しており、2年債利回りは10bpを超える上昇となりました。インフレに対する警戒感が高まる中で金融引き締めの長期化に対する思惑が意識されており、債券売り圧力が強まりました。米10年債利回りは3.94%台で、30年債利回りは3.93%台で、それぞれ引けました。
為替相場 – 金利拡大の思惑から、円売り加速
為替相場では、ドルインデックスが続伸。米国債利回りの大幅上昇などを眺めてドル買い圧力が強まる展開となっており、底堅い動きが展開されました。ドルは主要通貨に対して買われる流れとなりました。ただ、ECBの金融引き締めの動きも意識されているため、ユーロ/ドルは大きな動きにはなっておらず、1.05ドル台半ばでの引けとなりました。ポンド/ドルは1.20ドルを割り込み1.19ドル台半ばで引けました。
円は売り圧力が強まりました。ドル/円が2円近い上昇となって136円台半ばまで上昇しており、クロス円もつれ高となりました。植田和男次期日銀総裁候補が衆院の所信聴取で現在の金融政策は適切との見解を示したことで金融緩和策の修正に対する警戒感が和らぎ、円売りの流れが意識されました。ユーロ/円は143円台後半、ポンド/円は163円台前半でそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 目先調整売り優勢
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をブレイクしてバンドウォークとなり、上値を拡大する展開となりました。そこから調整の動きが意識されましたが、下値が堅く売りの流れは強まりませんでした。ただ、オセアニア時間に入り売りの流れが意識され、目先はバンドの中心線での推移となっています。ここで支えられるかどうかに注目です。
現状、バンドの上限が下落、下限が上昇となっています。バンド幅の縮小傾向が強まっており、市場にはエネルギーが蓄積されてきています。ただ、まだ縮小の余地はあるため、大きな動きにはなりにくいところです。しばらくはバンドの中心線を意識しての動きとなる中、下値の堅さが意識される局面となっています。