EA-BANK モーニングレポート
FOMCをこなすも、先行き見通しは依然不透明(12.14 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が下落しての引けとなりました。朝方は米FOMCに対する期待感から買いの流れが強まり、ダウは一時287ドル高まで上昇しました。しかし、FOMCにおいて、一部のメンバーにより2023年末の政策金利見通しの予想が引き上げられたことなどが嫌気されて売り圧力が強まる展開となりました。パウエルFRB議長の会見ではタカ派的な思惑が強まったことで下げ幅を拡大し、ダウは一時400ドル超の下落となりました。しかし、経済に対する警戒感から利上げペースの減速の可能性も示唆されていることを背景に、安値圏では買い優勢となり、結局142ドル安の33966ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが低下しての推移となっています。FOMCを受けて債券売りの流れが強まりましたが、パウエルFRB議長の会見を受けて債券に対する買い戻しの動きが意識される展開となっています。全体的には往来相場で前営業日終値を意識しての動きが展開されており、方向感の見えにくい流れとなっています。米10年債利回りは3.47%台前半から半ば、30年債利回りは3.52%台後半でそれぞれ推移しています。
為替相場 – 米利上げペースの鈍化の可能性が嫌気され、ドル軟調
為替相場では、ドルインデックスが下落。米国債利回りが上値を抑えられたことでドルに対する売りの流れが展開されています。ECBやBOEのタカ派的な金融政策に対する思惑などもドルの上値を抑える展開となっています。現状ユーロ/ドルは1.06ドル台後半、ポンド/ドルは1.24ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円はまちまちでの推移となっています。ドルインデックスの下落を受けてドル/円が上値の重い展開となり、前営業日比マイナス圏での動きとなっています。一方、クロス円はユーロ/円やポンド/円が上昇しての推移となっており、全体的には方向感の見えにくい流れとなっています。現状ドル/円は135円台前半から半ば、ユーロ/円は144円台半ば、ポンド/円は168円台前半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 調整売り優勢
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの中心線を挟んでの動きから一気に上値を拡大する展開となり、バンドの上限をブレイクしています。このままバンドウォークとなるかと思われましたが、調整の動きが入り一時バンドの中心線まで下落しました。そこからは持ち直すというやや荒い動きとなりましたが、目先は再度下落となってバンドの中心線を目指す格好となっています。
現状、バンドの上下限中心線が上昇しているため、トレンドそのものは上向きです。上昇の勢いはそこまで強まっていませんが、下値の堅さは意識されやすい状況となっています。ただ、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところであり、一時的には下落して、バンドの中心線を目指す動きとなりやすい展開だといえます。