EA-BANK モーニングレポート
米PPIが市場予想を上回り、米国債利回りが上昇(12.9 NY時間)
先週末のNY市場では、米株が下落しての引けとなりました。米PPIが市場予想を上回ったことで米国の利上げペースの減速に対する期待感が後退し、リスク回避的な動きが展開されました。日中は買い戻しの動きからプラス圏に浮上する場面もありましたが、引けにかけて売り圧力が強まり下値を拡大しました。ダウは305ドル安の33476ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、利回りが上昇しての引けとなりました。米PPIが予想を上回ったことで米国のタカ派的な金融政策に対する思惑が強まり、債券に対する売り圧力が強まりました。米国債利回りは長期債利回りを中心に上げ幅を拡大する展開となっており、2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが縮小する展開となりました。米10年債利回りは3.57%台後半、30年債利回りは3.55%台後半でそれぞれ引けました。
為替相場 – 米債券利回り上昇で、ドル堅調
為替相場では、ドルインデックスが上昇しての引けとなりました。米国債利回りの上昇などを背景にドルに対する買い意欲が強まる展開となりました。ただ、来週にFOMCを控えていることもあって積極的に買い進む展開にはならず、様子見ムードが強まりました。ユーロ/ドルは小幅に下落して1.05ドル台半ば、ポンド/ドルは1.22ドル台半ばでそれぞれ引けました。
円は小幅まちまちでの引けとなっています。米株安を背景に円を買う動きが展開されたため、ドル/円は小幅に下落しましたが、クロス円はポンド/円などが小幅に上昇しての引けとなっており、全体的には方向感の見えにくい流れとなりました。ドル/円は136円台半ば、ユーロ/円は143円台後半、ポンド/円は167円台半ばでそれぞれ引けました。
ドル/円・ボリンジャーバンド – じり高基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの+1σ前後の水準を意識して底堅い動きが展開されています。ただ、大きな動きにはなっておらず様子見ムードとなっています。目先は狭いレンジでの動きとなる可能性が高いため、方向感を見極めながらの対応が必要です。
現状、バンド幅が縮小傾向を強めており、市場にはエネルギーが蓄積されてきています。ただ、まだ縮小の余地が大きいため、バンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくいところだといえます。下値の堅さが意識されるため、バンドの上限に到達する可能性は高く、上限付近での動きには注意が必要です。