EA-BANK モーニングレポート
地政学的リスクの見極めで、株式市場も様子見ムードに(11.16 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が下落しての引けとなりました。ポーランドに着弾したミサイルはウクライナの迎撃が原因の公算との報道が流れたことで地政学的リスクが後退し、ダウがプラス圏での推移となる場面もありましたが、ここまでの上昇に対する調整の動きなども意識されて上値を抑えられ、日中は前営業日終値を挟んでの動きが継続しました。引けにかけてやや売りの流れが強まり、結局39ドル安の33553ドルドルでの引けとなりました。
米国債市場では、まちまちでの推移となっています。利上げペースの減速に対する思惑が強まる一方、利上げそのものは継続される状況となっており、短期債に対する売り圧力が強まる一方、長期債利回りは買い意欲が強まり、30年債利回りは10bpを超える下落となっています。2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが大幅に拡大する展開となるなど、警戒感が強まる展開となっています。現状米10年債利回りは3.68%台後半、30年債利回りは3.84%台前半から半ばでの推移となっています。
為替相場 – ユーロ、利上げペースの減速報道で、売り優勢に
為替相場では、ドルインデックスが小幅に下落。米国の利上げペースの減速に対する思惑からドルに対する売りの流れが意識される展開です。欧州の金融引き締めに対する警戒感からユーロが買われる場面もありましたが、ECB政策委は12月の利上げは75bpでなく50bpを支持する可能性といった報道が流れ、ユーロに対する調整の動きも見られました。ユーロ/ドルは1.03ドル台後半、ポンド/ドルは1.19ドル台前半でそれぞれ推移しています。
円は売られやすい地合いとなっています。豪ドル/円などは前営業日終値比で下落していますが、ドル/円の堅調地合いなどを眺め、クロス円は全体的に底堅い動きが展開される状況となっています。直近の円高に対する調整の動きが意識され、ドル/円は139円台半ば、ユーロ/円は145円を挟んでの動き、ポンド/円は1円以上の上昇で166円台を回復しての推移となっています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 狭いレンジでの動き
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限と下限で挟まれたレンジを動いています。方向感の見えにくい展開となっており、様子見ムードが強まっています。目先は下落基調が一服して持ち直し、バンドの中心線を意識しての動きとなっています。
現状、バンドの上下限中心線がほぼ横ばいといった動きとなっています。バンド幅は狭く、市場にはエネルギーが蓄積されている状況です。動き出したら大きくなる可能性があるため注意が必要です。ただ、目先はバンドの中心線を意識しての動きであり、まずは方向感を見極めながらの対応が必要な局面となっています。