EA-BANK モーニングレポート
米CPIのピークを睨み、ダウは大幅上昇(10.13 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が大幅上昇となって引けました。米消費者物価指数が市場予想を上回り、米国の金融引き締めに対する警戒感が強まる状況となったことで、ダウは寄り付きから売り圧力が強まり、一時549ドル安まで下落しました。しかし、消費者物価指数はピークを付けたのではないかといった思惑や売られ過ぎ感からの買い戻し、悪材料の出尽くし感などから買い戻しの動きが強まり、大幅上昇となりました。ダウは一時957ドル高となり、結局827ドル高の30038ドルと30000ドルを回復しての引けとなりました。
米国債市場では、利回りが大幅上昇。米国のインフレに対する警戒感が強まり、次回のFOMCでの75bpの利上げがほぼ確実視される中で債券に対する売り圧力が強まる展開となっています。特に短期債に対する売り圧力が強まっており、2年債利回りは10bpを超す上げ幅となっています。また、2年債利回りと30年債利回りの逆イールドが拡大しています。米10年債利回りは3.94%台前半から半ば、30年債利回りは3.91%台半ばでそれぞれ推移しています。
為替相場 – ドル円は、32年ぶりの安値水準に
為替相場では、ドルインデックスが大きく下落しての推移となっています。米国債利回りは大きく上昇していますが、消費者物価指数がピークとなったとの期待感などからドルに対する調整売りの流れが強まる展開となりました。特にポンドに対する買い戻しの動きが強まっており、ポンド/ドルは1.13ドルを回復しています。ユーロ/ドルも0.97ドル台後半まで上昇しており、ドル売りの流れが意識されました。
円は軟調地合いとなっています。米国の金融引き締めに対する警戒感からドル/円が底堅い動きとなって一時32年ぶりの円安水準まで上昇する展開となっています。ドル/円は147円台前半で目先は推移しています。一方、クロス円も株高を背景に全体的に円売りの流れが意識されており、ポンド/円は3円以上も上昇しています。目先ユーロ/円は144円を挟んでの動き、ポンド/円は166円台後半でそれぞれ推移しています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 上値重い
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの上限をバンドウォークする展開から調整の動きが入り、バンドの中心線まで下落しました。そして、中心線で支えられる動きとなりましたが、+1σ前後の水準で上値を抑えられ、目先はじり安となっています。まもなく中心線に届く水準のため、中心線で支えられるブレイクするかに注目です。
現状、バンドの上限が下落、下限が上昇となっています。バンド幅が縮小傾向となっており、市場には徐々にエネルギーが蓄積されてきています。ただ、まだ縮小の余地がかなり残っているため、すぐにバンドブレイクからバンドウォークといった動きにはなりにくい状況です。目先はバンドの中心線を意識しての動きであり、しばらくは中心線をはさんだレンジ圏での動きとなりそうです。