EA-BANK モーニングレポート
インフレ懸念後退も、経済の先行き懸念で一進一退(8.11 NY時間)
昨日のNY市場では、米株が小幅まちまちでの引けとなりました。朝方は米生産者物価指数が市場予想を下回ったことでインフレに対する警戒感が和らぎ、リスク志向の動きが強まる展開となりました。ダウは一時340ドル高水準まで上昇するなど上値を拡大する展開となりました。しかし、買い一巡後は買われ過ぎ感を受けた利食い売りや米国債利回りの上昇を背景としたハイテク銘柄の売りの流れが強まり、一時マイナス圏に転じる動きとなりました。その後は若干持ち直したものの、結局27ドル高の33336ドルでの引けとなりました。
米国債市場では、長期債利回りを中心に大きく上昇しています。米生産者物価指数を受けて短期債利回りを中心に下げ幅を拡大する場面もありましたが、調整の動きが強まったことで債券に対する売り圧力が強まり、10年債利回りなどは100bpの上昇となっています。2年債利回りなどもプラス圏に浮上するなど、債券売りの流れが意識されています。現状米10年債利回りは2.88%台、30年債利回りは3.17%台でそれぞれ推移しています。
為替相場 – 米債券売り強まり、ドルインデックスも下落
為替相場では、ドルインデックスが小幅に下落する流れとなっています。米国債利回りは大きく上昇したものの、インフレに対する警戒感が後退しており、ドルに対する売りの流れが意識される展開となっています。ただ、売り一巡後は持ち直し基調が強まっており、一時割り込んでいた105を回復しての動きとなっています。ユーロ/ドルが1.03ドル台での推移となる一方、経済の先行きに対する不透明感からポンドに対する売りが意識されポンド/ドルは1.22ドルを挟んでの推移となっています。ただ、全体的には大きな動きにはなっておらず、様子見ムードが強まっています。
円は小幅まちまちでの推移となっています。ドル/円が小幅に上昇して133円台を回復しての動きとなっていますが、全体的には方向感の見えにくい状況となっています。オセアニア通貨に対する買いが強まっていますが、米株の上値が抑えられたことなどを背景に、積極的に上値を拡大する展開にはなっていません。目先はドル/円が133円を挟んでの動き、ユーロ/円が137円台前半での推移となっています。
ドル/円・ボリンジャーバンド – 持ち直し基調
ドル/円を30分足のボリンジャーバンドで見ると、バンドの下限から持ち直し基調となり、そのまま中心線を抜けて上値を拡大する展開となっています。ただ、バンドの上限には届いておらず、目先はやや上値の重さも意識される状況となっています。ここから再度上昇基調を強めてバンドの上限まで上昇するのか、バンドの中心線まで調整の動きが入るのかに注目が集まるところです。
現状、バンドの上限は上昇基調、下限は横ばいとなっています。バンド幅は拡大基調ですが、下限の下落基調が終了しており、ここから上昇に転じる可能性が高まっています。そうなるとバンドの上下限中心線が上昇といった動きになり、トレンドそのものは上向きながら、調整の動きを入れながらといった展開となりそうです。押し目買い優勢の局面ではあるものの、一時的には調整売りに上値を抑えられそうです。